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2012.05.14 (Mon)

人間関係の本質

 来る日も来る日も来る日も、朝から晩まで独りきりで仕事をして過ごす毎日。それはとても寂しいものです。人は孤立を怖れます。周囲を大勢の人に囲まれていても、理解者に恵まれず、心理的な孤独を感じることも多いものですが、山中や孤島に取り残されたかのような、周囲に人がいない絶対的な孤独には、恐怖を覚えずにはいられません。
 人は、人を求めます。自分を幸せにしてください、楽しい気分にしてください、という欲求を持って、人を求めるのです。他者の温もりは、抑うつを癒す最良の薬です。
 相手もまた、同様に、求める心を持って、近づいてきます。互いに相手を自分の利益のために用いようとするのです。そのバランスが釣り合っているときは、人間関係はうまくいきます。ところが、どちらかが、与えるばかりで、返るものが少ないと感じるとき、その関係性は不安定になっていきます。
 自分にとって、この関係性は不利だと思ったら、他に利益がある他者が現れたら、人の心はすぐに変化してしまうのです。たとえ永遠の愛を誓ったとしても、悲しいかな、人の心に永遠は期待できません。
 自分の心さえ、相手の一挙手一投足によって、日々微妙に変化するのを感じていることでしょう。そうした自分自身の感情さえ、人は思いのままにできないのです。愛さなければいけないと冷静な前頭前野が判断しても、辺縁系の情動は勝手に動いていきます。自分ではどうしようもなく。

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2012.05.10 (Thu)

相手の立場に立つロールプレー

 「あの人は一体何を考えているのか.....解らない。」何故という問いかけに自分では答えが出せずに、周囲に意見を求めて、ますます混乱してしまったような経験はあるでしょうか。なぜ?の問いかけに答えが出ないのは、自分の立ち位置で考えているからです。
 頻繁に悩み相談を持ちかけてくる知人の相談に乗っているうちに、相手が怒り出してしまって手におえない。なぜ?こんなに懸命に慰めているのに?
 依存している側が「怒り」を表現します。怒りは充たされない依存の現れです。相手の役割になって、再現してみましょう。
 その人は、上司の自分への評価について、憤慨しています。それを相談した相手(自分)は、その上司には、どちらかといえば良い評価をもらっています。慰めの言葉はかったるく、あなたのような幸せな人に、わたしの気持ちが解るわけないよ!と言いたくなるのも、うなづけると思うでしょう。こんなに時間を費やして傾聴しているのにという、自分のポジションにいる限り、気付けないのです。相手の立ち位置に立って初めて、相手は相談相手を間違えていることに気付きます。

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2012.04.28 (Sat)

人間関係を選ぶこと

皮肉や嫌味、的外れな批判、揚げ足取り、口を開けばトゲ刺すことばばかり、そうした人はそれが習い性になっているのでしょう。もしかしたら、自らの自尊心の低さゆえに、あなたの足を引きずり降ろして、性質の悪い満足感に浸りたいのかもしれません。「サボテンにだって、きれいな花が咲くのだから」などと、懸命にその人の良い所を探して、仲良くやっていかれるように歩み寄ろうとしても、徒労に終わることが多いでしょう。
 同じ職場だから、避けられないのだから、気持ちよく過ごすためにと、無理な努力を続けているうちに、いつしかトゲで傷らだけになり、心に溜まった怒りを晴らすすべもなくしているということになりかねません。

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2012.04.27 (Fri)

微笑みうつ病

 本当は辛い。苦しい。でも、辛いといえない。微笑みをつくろって、今日も元気な振りを続ける。そうしているうちに、いつしかへとへとになってしまう。人前では明るく振る舞っていても、独りになると、涙が止まらない。幸せになりたい!!と心が叫んでいる。周りに幸せな人ばかりがいるのが、辛くて仕方がないと、心が訴えている。
 微笑みうつ病の笑顔は、硬直した笑顔です。心の中には、不安が巣食っています。本当は、幸せな人の傍には居たくないのです。別段、その人が意地悪なわけではありません。ただ、その人たちの日常の会話、それぞれの穏やかな家庭の平穏な一コマに触れる、それだけで、傷ついてしまうのです。
 わたしには何もない。突然の嵐が、すべてをもぎ取ってしまった。以後、一人ぼっちで生きてきた。これからも.......。そんな不安な人生を、この人たちは一生涯知ることはない。知らなくていいのだ。その圧倒的な格差に傷つかずにはいられません。

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2012.04.17 (Tue)

絶望を生きるとき

  第二次大戦下の過酷なアウシュヴィッツで、最後まで生きのびた人たちには、共通の傾向があったといわれています。それは、屈強な肉体や身体能力ではなく、少ない食料を分け与えるなど、他者を気遣える人びとだったといいます。
 確保した食料は空腹を満たすために、自らが生き延びるために、独り占めしたいところでしょう。他者を思うゆとりなど無くて当然の状況です。それでも、一部の人々は、もっと飢えている人の為に、もっと衰弱している人の為に、分け与えたのです。

 喪失や絶望の渦中にあるとき、人は生きる希望を得たいと願います。藁をもつかむ思いで、願わずにはいられません。手を差し伸べてほしい。その手にすがって、この状況から這い出したいと。
 自らの体験を聞いてくれるだけでいい、と感じない人はいないでしょう。それだけで、苦痛のいくらかは癒されることでしょう。
 ところが、この願いは、なかなか叶えられません。人は、本来、経験したことのない痛みを共感しえないのです。生きてきた背景も現在のスタンスも違えば、理解すらしがたいのです。
 そのうえ、人は誰も、自分の日常を生きることに忙しく、他者の苦痛に寄り添うために、多くの時間を使えません。ほんの少しの支えが欲しいと願えば、甘え過ぎという評価のもとに、距離を置かれかねません。

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2012.04.11 (Wed)

八つ当たりの心理

「八つ当たり」とは、対峙しなければならない問題や相手とは関係ない人やモノに、怒りをぶつける状態のことを言います。
たとえば、仕事をしくじって上司から叱責された場合、より良い対応は、ちゃんと自分の落ち度を自覚し、認め、受け入れ、その点については謝罪し、次回からはどうするといった対策を示せることです。
 ところが、仕事ぶりを否定されることは、自尊心が傷つくことですので、認め、受け入れることは、意外と難しいのです。つい、同僚との間で、上司を非難する会話が弾んだりします。
 そして、鬱憤を晴らしたところで、相手や自分を客観視できればいいのですが、ただやみくもに上司からの評価を怖れていると、被害者意識が強くなる一方です。そこで、上司からの受けがいい同僚に、筋違いな怒りを覚えたりすることもあります。あの人は、わたしのような苦労を一度もしていないといった具合に。

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2012.04.07 (Sat)

あなたの隣の反社会性パーソナリティ障害

危険な犯罪者といったイメージの強い反社会性パーソナリティ障害ですが、見るからに凶暴な印象を放っているとは限りません。隣人として接する限りは、気弱で善良な、どちらかといえば自信なさげな人々の中にも紛れているかもしれません。隣人ならば影響は少ないですが、ステディな関係になるのは要注意です。欠如しているのは、良心や責任感かもしれません。
 反社会性パーソナリティ障害は、『自己中心性、無思慮な衝動性、反社会的な犯罪性、虚言癖(嘘つき)、他者への共感の欠如、反省や良心の不足』などの特徴を持っています。パーソナリティ障害というよりも、発達障害に属するのかもしれません。脳機能障害も推察されています。
 親密な対人関係に支障をきたす特徴には、危険な人格からはほど遠い印象もあります。
 軽躁的でテンションが高く、如才ない話しぶり。人当たりもよく、「表面上にはとても魅力的」で、自分自身もその魅力を熟知しています。自己愛性人格とも重なります。
 ですが、しばらく付き合ううちに、表層的で、思慮の浅い部分に気付きます。知性は低くありませんが、他者の心情への洞察力は低く、情緒的な触れ合いが難しいのです。

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2012.04.05 (Thu)

婚外恋愛の結末

 恋愛は、始めるよりも終わらせる方がはるかに難しいものです。特に相手が既婚者である場合は、危険な結末になります。
 相手に妻子がいると知った時点で、女性側も、この恋にハッピーエンドはないと諦めていることでしょう。そうと解ってはいても、恋の引力に引きずられることも多いものです。ですが、覚悟しているよりもはるかに凄惨なものになるとは、知らずにいる人も多いかもしれません。
 それは、多少は信頼していたはずの男性の、かくも鮮やかな、完璧な裏切りです。
その人には、帰る場所があるのです。今まで帰らなかったとしても。
 その場所とは、家ではなく、妻のスカートの後ろです。妻の後ろに隠れて、自分こそ被害者だと居直ります。以前囁いたことばも記憶がないと突っぱね、謝罪や誠意を求めようとする女性に、水掛け論はやめましょうと切り捨て、挙句にストーカーのようだと脅しをかけてくる、思いもしない寝耳に水の展開になるのがお決まりのコースです。
 そして、妻の方も、夫の不誠実に気付かず、夫に代わって、夫をたぶらかす不埒な女と闘おうとします。

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2012.04.04 (Wed)

共感と寛容

 生きている間に、人は様々な経験を重ねます。その質と量は個々人によって、大きく異なります。
 人が他者の痛みに共感を覚えるとき、それは、自らの記憶の中から、過去の類似の経験を思い起こしたときといえます。
 失恋の経験のない人には、その痛みは解りません。また、一口に失恋といっても、ケースバイケースです。解らない人には、「バカなこと」にすぎません。
 相手の痛みを想像できることによって、人は寛容にもなれます。従って、人生で直面するさまざまな問題を解決してきた人ほど、まだその渦中にいる人に対して、暖かい眼差しを注くことができるといえます。「苦労してきた人は優しい」ということばは、このことを指しているのでしょう。

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2012.04.03 (Tue)

寂しさの病理

 人が社会的に孤立し、接する対象がいない状態に陥ると、心身には様々な変化が起きてきます。睡眠障害、うつ病などの原因になるのです。
 寂しさは、副腎質ホルモンのコルチゾールのレベルを高め、高血圧などを引き起こしたり、免疫をつかさどる白血球を減少させます。
 人は孤独を感じると免疫機能が低下し、ウィルスや細菌に感染しやすくなり、逆に社会的なつながりができると免疫機能は活発になります。
 さらに、深い孤独を感じると、脳は社会的脅威に対する警戒心を強めます。見知らぬ他者に、ネガティブな感情を抱きやすくなるのです。訪ねてくる人もなく、たまにあるとすれば、それは集金人だけ。すると、必然的に、他者との接触は、損失をもたらすことという認識を持ちやすくなるのです。不信感や対人不安が生じやすくなります。
 不安を癒してくれる対象がなければ、脳は外界の脅威を過大に評価し、他人に対してネガティブになりやすいものです。社会的なつながりがあってこそ、安心して他人と接することができるのです。些細な出来事も、愚痴や本音を打ち明ける対象がなければ、重荷となって背負いきれなくなるのです。誰か、自分を解ってくれる人がいないと、永遠に続くかのような静寂の中では、夜も安心して眠れません。
 社会から切り離された状態が続くと、生きる意味も感じられず、意欲もわかず、抑うつに陥り、生きていることそれ自体が苦痛になってしまいます。

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2012.03.31 (Sat)

親密さへの怖れ

 好きになった人とは、もっと親しくなりたい。そう願わない人はいないでしょう。ところが、この欲求にブレーキがかかることがあります。
もっと親しくなったら、その先にあるのは何?自分の中に不安が生じ、それに打ち勝つ自信がなければ、どんどんネガティブな未来予想図を描いてしまうのです。
 たとえば、交際が深まれば、当然話題に上るのは結婚。そうなれば、相手の人生を引き受けなければならなくなる。支えられる経済力が自分にはない。男性には、一番気がかりな問題でしょう。
 他にも、気ままな独り暮らしではいられなくなる、自分の自由がなくなる、周囲にうまくいっていないカップルがいると、自分にもそうした問題が持ち上がるのじゃないかと、気になったりするでしょう。
さながら遠視のような視野で、どんどん不安点を拾い上げていると、そもそも、最初の一歩が踏み出せません。

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2012.03.28 (Wed)

絆と幸福感

 傷ついているとき、落ち込みの激しい時、100の励ましのことばよりも、黙って肩を抱いてくれる友人の、その手のぬくもりに癒しを感じた経験はありませんか。身体は、時に言葉よりも雄弁です。あなたを励ましたい!と、手のぬくもりが伝えます。人は、身体が触れ合うときに、絆を強く感じるのです。
 ましてや、友人間の身体の境界線を越えて、深く触れ合うパートナーとの良好な関係が、人の幸福感を左右することは言うまでもありません。
 相手の充足のために貢献したいという想いに基づいた触れ合いは、鬱感情や孤独を癒し、喪失した気力をも蘇らせます。本音で触れ合える、愛情を持って接してくれる相手がいることは、日常のストレスを忘れさせ、そのストレスの質や量が変わらなくとも、なんとかなりそうな自信が得られる場合もあることでしょう。打ちひしがれて艶をなくしていた人が、はた目にも生き生きと輝いて見えることもあります。

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2012.03.27 (Tue)

不信感

 信じていた友人や恋人から裏切られたて、傷ついてしまった。また同じ目に会わないようにしよう。そう思った時に、その人に対して不信感が芽生えます。
 人は、特定の誰かに対して、信頼したいと願っています。裏切られるのは、その期待感なのです。
 この人なら、と、悩み事を打ち明けます。ところが、その友人が、他の人から受けた相談事を話題に、批判がましい雑談をしている場に、出くわします。わたしのことも、陰でこんなふうに言われているのかもしれないと、途端に落ち着かなくなります。
 また、不意の出来事にパニック状態に陥り、心細さを吐露したところ、友人がすっかり引いてしまい、また来週逢おうと約束しながら、以後、音信不通になってしまった。別段、助けてほしいと言ってるわけじゃない。それほど、頼っているわけでもない。ただ、「大丈夫だよ。わたしがいるじゃない。」と、社交辞令でもいいから言ってほしかった。
 支えてほしい時に、支えてもらえなかった。うかつに、本音を漏らすと、ろくなことにはならない。悲しいけれど、そう思える。

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2012.03.24 (Sat)

いじめと自己肯定

 人には誰しも得意不得意があり、苦手な分野があります。得意分野で頑張り、自分には苦手な領域では、それを得意とする人と張り合わない、『自分の土俵で相撲を取る』のがベストです。
 とはいえ、周囲の人々と自分との収入の差が気にかかり、それが密かにコンプレックスになるなど、よくあることです。
 「いじめゲーム」を仕掛ける人は、表面的には誰もが知っている客観的な事実を口にしながら、その実、相手が抱いているコンプレックスを激しく突いてきます。相手の自己肯定感の足りなさを、直観的に鋭く見抜くのです。
 もちろん、本人も満ち足りた精神状態ではありません。むしゃくしゃするから、叩けそうな相手の元に押しかけて、心理的暴力を振るうのです。
 誰かに咎められれば、「だって本当のことじゃない」と悪びれません。良心の呵責など、微塵もありません。

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2012.03.18 (Sun)

妄想の正体

 人の脳は、現実だけを認識しているわけではありません。人は信じたいように目の前にある状況を、意味づけするものです。
 たとえば、誰かが浮かない顔をしていると、「昨日のことをまだ気にしているのかな?」と、昨日の出来事と結びつけたりします。実は、その人の脳裏にあるのは、全く別な心配事だったりするのですが、相手に確認しないままに、憶測を第三者に口外することによって、誤解が広がる。およそ人間関係の混乱はこうして絡まった糸によるものと言っても過言ではないかもしれません。
 状況の裏に隠された相手の真意が見えないとき、人は「希望」や「恐れ」からそれを憶測します。素敵な人から微笑みかけられると、相手の好意を実際以上のものと確信したり、嫌な相手の嫌味に、過剰に警戒心を強めたりしがちです。
 人は、そうあってほしいと願うことを、強く信じようとします。ですから、マインドコントロールされている人や、恋に酔っている人に、「あなたが信じているものの正体」を教えようとしても、なかなか受け入れてはもらえません。

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