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妄想と自己愛

 妄想性人格障害の人は、不都合な現実を見つめることができません。不都合な現実とは、自分の判断がいつも正しいわけではないというものです。 そもそも、人間を「正しい人」と「悪い人」に分けること自体が、幼児的発想といえます。関係性の中で、時と場合によって、ひとりの人が正しい人にも悪い人にもなりうるものですから。 ところが、妄想性人格障害の人は、いつも自分が正しくないと不安なのです。そこで、受け入れられな...

逆境と妄想

 妄想性人格障害の人は、現実見当識そのものが完璧に損なわれているわけではありません。ただ、他者の言動の背後に不穏なものを読み取ろうとする傾向が著しいのです。 妄想性人格障害の診断基準は、根拠もなく、他人が自分に危害を加えたり、だまそうとするのではないかという疑いを持つ傾向です。友好的な人に対しても、その誠実さや親切の意図を探ろうとします。吹聴されるのではないかと恐れて、自己開示できません。侮辱され...

原始的防衛機制(精神病的防衛)

 妄想性パーソナリティ障害、境界型パーソナリティ障害、自己愛パーソナリティ障害などの症状形成に関連する防衛機制です。 否認と歪曲 受け入れ難い現実を無かったことにします。抹殺した現実を、都合のいいように歪めて書き替えます。他者に対して白を切る、嘘をつくのではなく、自分自身を騙そうとします。妄想の土壌となります。...

被害妄想の背景

 理詰めで説明しても、払拭しきれない不穏な妄想。妄想性障害は微細な脳機能の失調による現実見当識の障害ですが、そこに陥っていく人の心理にも一定の傾向があります。 まず、過去に他者との間に、良好な関係が築けていません。信頼していた人に裏切られた、陰口を聞いてしまった、などの傷心から、他者との間に壁を築いてしまうような場合が多いと言えます。親になじられ続けたり、苛めを経験して人間不信に陥っているケースも...

妄想に生きる人

 私たちは外界を、とりわけ他人の心の中を、あるがままに見ているのではなく、自分なりの解釈を持って見ています。時に、その憶測を真実と思い込み、誤解します。そうした傾向が高じると、何でもない出来事に、危機的な演出をして大騒ぎしかねません。安心を得るためには、自分が感じた解釈の妥当性を、検討してみることが必要です。 ところが、妄想性人格障害の人は、誤解だと解っても、なお、不信を拭えない場合が多いものです...

妄想性パーソナリティからの回復

 疑い深く、キレやすく、他者に対しては冷淡で、共感や同情を示さない。妄想性パーソナリティ障害の数々の特徴は、点在する点ではなく、糸のように繋がっています。スムーズに人と関わることができず、傷ついて不信感を抱き、他者を脅迫者とみなしてしまっている状態といえます。 他者と分かち合う喜びを知らず、身構えすぎてしまっている人たちの姿は、周囲の目には、陰湿で卑屈で、自己中心すぎる危険な存在と映り、共感や同情...

疑心暗鬼

 妄想性パーソナリティなど、被害妄想を抱きやすい人は、他者の表情や言動から、相手の感情を読み取る直観力が乏しいといえます。相手が何を感じ、考えているか解らない不安は、緊張感を、ひいては警戒心をもたらします。空気が読めずに、周囲から浮いてしまったり、疎外されてしまったという負の経験は、いっそうその傾向に拍車をかけることでしょう。そして、危機から身を守ろうと身構えるあまりに、外界を実際よりも危険なもの...

パラノイア-被害妄想への依存

 妄想性障害を持つ人は、例えば、「近隣の人たちが私を陥れようとする」という妄想を、家族が受け入れるよう繰り返し繰り返し説得します。家族がそれを否定し、理路整然と説明しても、この妄想を覆せません。一度は納得したかに見えても、暫くすると、またもくもくと妄想が膨れ上がります。また、逆に、これほど危険が蔓延しているのに、なぜそんなに呑気でいるのか、なぜ察知できないのかと憤ります。 全てにおいて、現実見当識...

加害者の被害意識

 多くの心理的虐待加害者は、傍目には温厚で良識的な人に見えます。職業も教職など、知的なホワイトカラーに属している人も少なくありません。外では卑屈なほど他人に気を使う人が、親しい相手に暴力的に対している等とは、想像だにできない人も多いことでしょう。 それでも、何気ない言動の中に、加害者の兆候を見て取る事は可能です。その人は、常に人間関係を上下で考えようとしています。職業的立場が、収入が、性別が、年齢...

被害不安と被害妄想

 被害妄想は、統合失調症やうつ病、認知症などの人たちに見られる症状です。違法薬物の使用によっても現れます。それは脳が必要以上な不安を処理できずにいる兆候でもあります。  重大な精神疾患ばかりでなく、ミクロな「思い過ごし」は、わたしたちの日常生活でも珍しくはありません。考えすぎだよと人に言われて、修正できるなら、それは妄想とは呼びません。 「その出来事」が起きたら、自分には対応する力がないと疲弊感や...

対人関係能力と被害妄想

 統合失調症周辺の人たちには、「被害妄想」的訴えがよく見られます。中にはSF小説のような荒唐無稽なものもありますが、多くの場合は「周囲の人から嫌われている」「自分だけが理由もないのに悪意を持たれている」といった被害感、疎外感が多いようです。 子どもの頃から、協調性に欠けていたり、集団のルールを守れなかったり、といった理由で、集団に馴染みにくく、集団からも受け入れてもらえず、ともすればいじめの対象にな...

他者不在の病

 妄想性人格障害は他者を悪意に誤解する病ですが、その本質は他者不在の病と言えます。他者に対する不信感や猜疑心が非常に強く、その根底には恐れがあります。他者を怖れるがゆえに、常に過敏に反応し、身構え、逃走と闘争の体勢を取っているのです。 こうした特長は、コミュニケーション能力の欠乏に、端を発しています。他者と会話していても、相手の心情や心理を読み解けません。それだけに、共感性のある人よりも、気遣いが...

敏感関係妄想

 人がひそひそと立ち話をしているのを見ると、自分の悪口を言っているのではないかと感じる。対人関係に齟齬を生じ、感情が過敏になっているときには、誰しもこうした穿った見方をしがちです。他人の目、他者の評価が気になっているのです。 うまくいかなかった事柄に対して、内心くじけていますから、「だいじょうぶだよ」と外側から支えられないと辛いのです。ところが、落ち込みがひどいと、他者からの慰めや励ましのことばも...

批判ばかりする人

 口を開けば、傍に居ない誰かの批判、非難ばかりをしている人は、陰ではあなたも批判している可能性があります。一緒に居ると、陰気な中傷や、そうかと思えば、自分に関して、取るに足りないようなことを自慢する、傍に居ると疲れを感じることが多いかもしれません。 批判屋は、常に批判しています。あてつけがましく遠まわしに行われることもあれば、あからさまに行われることもあります。自分の自尊心を持ち上げるためには、他...

投影-心を映す外界

 わたしたちは無意識のうちに、周囲の人間関係のドラマから、その背後にある、相手の真意を読み解こうとしています。そして、ひとたび、あの人の言動の意味はこうだと認識してしまうと、それを修正するのが難しいものです。間違って解釈しても、これは自分の憶測にすぎないと気が付かないことが多いのです。外界はわたしたちの心を映しだす鏡ともいえます。 たとえば、ある人が、「私は、女性にもてる。」という自己認識を持って...