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報酬回路と依存症

人は喜び、楽しみを求めるものです。特に、苦痛を伴う問題に心が占領されていたり、どう展開するかも解らない未来に強い不安を抱えてると、なおのこと、その傾向が強くなります。 fMRIsやPETスキャンが存在しなかった時代には、依存症は、心の弱さや道徳観の欠如によって起きるといった捉え方をされていたかもしれません。幸いなことに現在では、脳のどの部分に問題が生じているのか、どの神経伝達物質がバランスを崩しているのか...

回避依存-魅惑的な恋人

 「わたしには女性の友人がたくさんいるんですよ。」彼は自慢げに言った。 「皆、私によくしてくれます。」誰々が私に○○してくれた、誰それには□□してあげた、という内容の自慢のオンパレードは、いささか聞く者を辟易とさせる内容だったが、本人はまるで気付いていないかのようだ。 確かに一度もレールを踏み外すことなく、勝ち組人生を歩いてきたエリートだが、羽根を広げた孔雀のように見せびらかす必要があるのだろうか?...

現実検討識-そのミクロな狂い

 現実検討能力とは、『自らの外部にある事象』と『内面にある表象』を区別する能力です。 「Aさんの浮かない顔を見て、昨日の事を気にしてるんだと直感したが、ほんとにそうなのかは、聞いてみなければ解らない」 この区別が付かなくなり、主観のままに外界を意味づけることを妄想と呼びます。  しかし、統合失調症や認知症等の、病理学的な次元のマクロな狂いは誰の目にも明らかですが、ミクロな狂いは、気付かれにくいもの...

 ADHD-情動と人間関係

 側頭葉、前頭葉の機能が充分でないと、情動の制御に障害が生じてきます。 言葉の影響を考慮しないで,心に思ったことをそのまま言ってしまう。その結果、他人に恥をかかせてしまう、といったことが起こりがちです。 気短で、思い通りにならないことに対して、寛容さがとぼしく、そうした場面で、グワーッと湧いてくる怒りの衝動のとりこになりやすいのです。 たとえ相手が友人や恋人でも、侮辱を受けたと感じたら,それが事実...

ADHDと前頭前野

 大脳皮質の前頭前野は高次元の認知機能を司る中枢です。また、不適当な活動や考えを抑え注意を集中するという、重要な機能も担っています。この機能がADHDの人には不足しています。 ADHDの子供では、前頭部と左右の側頭葉で発達が遅れていることがわかってきています。側頭葉は感覚、情動の部位です。ここからの情報を受けて、前頭前野が合理的な認知と判断を行ないます。 一方で運動を司る皮質は早く成熟するので、これが、多...

嫉妬妄想と見捨てられ不安

 嫉妬妄想は、自分のパートナーが、他の異性と親密になるのではないかという恐れから生じます。女性では、閉経を迎えた頃に多く表れます。嫉妬妄想以外に妄想がないのが特徴です。...

確信と自己正当化

 妄想とは、『自分が正しいと信じ込む病』ですが、その背景には「信じたい」という需要があります。誤りたくないし、誤ったことを謝りたくないのです。「謝る」という行為を通して、相手に与えるメッセージは、「あなたをたいせつな存在だと思っている。」という姿勢です。「キミが○○と言ったから、△△な表情をしたから、キミはこう思っているに違いない!!かならず、そう考えているはずだ!!」といった、外界に対する自分独自の意味...

 妄想性障害の周辺

 妄想とは、『自分が正しいと信じ込む病』です。他者の発言に、発言したほうが想像も出来ないような解釈を与えたり、態度や表情に、独自の意味を勝手に見出したりした結果が、本人には唯一の「事実」と認識されるのです。  相手が「確かに、そういう発言はしたが、指摘されているような意図は無かった」といくら主張しても、受け入れてはもらえません。しらを切っているのでなければ、自覚していないだけだ、潜在意識ではそ...

妄想的発想

 統合失調症圏内の荒唐無稽な妄想は、理解不能であることから、一見してそれと解ります。一方、憶測、邪推の周辺にある妄想には、際立った不自然さがなく、共有されてしまう可能性も多々あります。 本来、起きている現象の背景には、それに関わった人々それぞれの多様な理由があります。ところが、憶測、邪推癖のある人は、そこに、ひとつの強力な意味づけをしてしまいがちです。それは、その人独自の思考から出てきたものですが...

嫉妬妄想

 妄想とは、訂正不能な誤った考えです。統合失調症の中核症状であり、観念の異常と言う人間精神の根幹を揺るがす問題です。 不合理な確信は、脳が『それ』を合理的に捉えられていないことを物語っています。脳機能が衰える老年期は、思春期、青年期に次ぐ、妄想の発症期です。統合失調症の既往歴や素質要因に関わりなく、誰でも生じる可能性のあるものです。 妄想の内容も、荒唐無稽なものではなく、心理的葛藤から生じた、実際...

恋に落ちる脳

恋は、ある日突然、思いもかけず、湧き上がる感情です。鼓動の高鳴り、一目顔を見たい、一言声を聞きたいという激しい欲求、少しでも近づきたい、一緒にいたい欲求、遠くから姿を見かけただけで張り裂けそうになる心臓、等など....。恋は突然嵐のように襲いかかり、その恋の喪失は、異常な激怒を起こします。 恋をする人の脳をスキャンすると、腹側被蓋核という部位が活性化していて、さながら薬物依存の恍惚状態のようだなどとい...

「ナルシシズム」と自己正当化

 「ナルシシズム」は、自分を愛しすぎる病と捉えられることもありますが、ありのままの自己受容が揺れ動くために生じてるようです。 すると、必然的に、周りの人からの承認を求めるようになります。他者からどう見られるか、それが、自分自身の価値基準となっているのです。 多くの人から承認されるためには、社会の基準や枠組み等、多数派の意見に自分を沿わせる必要があります。そこで、同意を得られやすい規範、常識を、その...

 強迫と「前部帯状回皮質」

 PET(ペット)やSPECT(スペクト)など、画像技術の進歩によって、かつてはブラックボックスと呼ばれていた脳の機能が画期的に解明されてきています。脳のどこの部位が、人間のどんな精神活動に関係しているかが、次第に明らかになり、自己愛性人格障害、強迫性障害など、人格の障害の原因が、微細な脳機能障害であることがわかってきています。 強迫観念や強迫行為と関係が深いと考えられているのは、「前部帯状回皮質」といわ...

脳から見る恋と失恋

 古来より「恋は病」などといわれています。激しい恋は、人をして、本来のその人らしくない行動を取らせてしまいます。それはさながら、精神疾患、認知症、躁欝病、強迫神経症様の症状が入り混じっているかのようです。 恋は前頭前野の冷徹な損得勘定を踏み越える生物学的衝動なのです。飢え、渇き、渇望といった、激しい生への欲求から生じています。それだけに、恋は人生最大の多幸感から、怒りの爆発、恨みの情念まで、激しい...