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複雑性心的外傷-その加害者

 なぜ、言葉や態度といった直接的に身体を傷つけない攻撃が、それほど人の心に傷を残すのかといえば、脅迫、圧力、阻害といった相手の態度が、それに屈してしまう自分への劣等感を深めてしまうからでしょう。支配的な加害者は、被害者の有能感を打ち砕いてしまうのです。しかも、自尊心の低下した被害者は、この状況を作った、あるいは抵抗できなかった責任が自分にあると考えるようになってしまいます。 加害者は被害者の傷...

複雑性心的外傷の成り立ち

 人は危険に遭遇すると、「闘争」か「逃走」かの岐路に立たされます。ところが心的外傷は、そのどちらをも選択し得ないところから、発生します。逃走したいけれど、失いたくないものがあるので、立ち去れません。留まることを選択せざるを得ないのですが、さりとて権力を乱用する強靭な相手と、闘争できるわけではありません。忍耐の日々が続くことになります。 いつかは力尽きて倒れることになりますが、そのときにはもう、どれ...

複雑性心的外傷症候群 その特徴

 その個人が個人らしく生きられず、自尊心を苛まれる環境下に長期間置かれた場合、その環境を離れた後も、時間が止まったかのように、当時の記憶に長期間苦しむことになります。過去に束縛され、凍結された時間を生きているという状態に陥っているともいえます。  脳裏には、当時の出来事が、映画のように繰り返し繰り返し、上演され続けているのですから、それを見つめ続ける心は、いつも不機嫌です。生まれてこなければよ...

キレる―感情爆発

 湧き上がってくる感情は、その場で処理するのがベターだといわれます。とはいえ、よほど親しい間柄でもない限り、赴くままに感情をぶつけると気まずくなってしまいます。 そこで、負の感情を言葉にも態度にも表情にも覗かせず、抑圧することとなります。溜め込むと辛いので、この時様々な解釈を試みます。 いい方向に受け取ろう、悪意だと解釈しないようにしよう、この人のいいところを評価して、悪いところは目をつぶろうとい...

強迫的防衛

 強迫性人格障害(OCPD)の人は、所属する社会の規範や道徳観念に対して、自分自身の経験値や倫理観に照らし合わせて吟味することなく、従順に従う傾向があります。 これは、『一般的な規範』に従って『大多数の意見』に同調することで、自己判断に対する不安感を防衛しているのです。 その背後には、自分の判断に対する周囲からの反応への不安を『大多数が認める規範や常識』によって防衛する心理があります。 「自分ではこのケ...

自己愛と否認

 自己愛性人格、妄想性人格、強迫性人格、こうした傾向の人たちの特徴のひとつとして、否認という防衛機制があげられます。否認とは現実を意識しないようにする、あたかもそれが存在しないようにする防衛機制です。自分の心の中にある不利な事実を見ようとしません。欺こうとしている対象は、他者よりも、まず自己なのです。 自分にとっては快楽と感じられるようなある種の欲望充足が、一方で不快な結果を誘発する可能性がある場...

抑うつと記憶障害

 深い悲しみが記憶力を鈍らせることが知られています。うつ病や心的外傷後ストレス障害が、脳の記憶中枢である海馬を萎縮させるのです。 強い感情を伴う記憶は、情動脳である偏桃体を通して、長期記憶として貯蔵されます。その一方で、ストレスホルモンであるコルチゾールが過剰に分泌されます。海馬は、このコルチゾールによって、損傷を受けやすいのです。その結果、神経細胞が減少します。 うつ病では、コルチゾールが慢性的...

失恋と自立

 恋をすると、その人から愛されていることが幸せの基準になります。愛されていないと感じると、辛くて嫉妬深くなり、幸せが相手次第という形になってしまいます。すると、「どうすれば愛されるか?」「どうすれば充たしてもらえるのか?」というハウツーに関心が向かいます。 相手からの好意を得るために、無理をしてその人好みの個性を演じたり、あれこれ我慢することが増えます。その人と意見が違っても、相手を立てて自分らし...

抑うつのやり過ごし方

 誰かと一緒にいても孤独感を感じる。             好きだった趣味を楽しめなくなった。判断を強いられるような場面では、心が揺れ動いて決められない。反りの悪い同僚など、心理的な負担を伴う人付き合いがわずらわしくなった。将来に対して過度の不安を感じて、最悪の事態を予想してしまう。不快な出来事が繰り返し脳裏に浮かび、仕事が手につかない。将来に何の...