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依存と妄想

 誰かにときめきを感じた時、その相手と親しくなりたいと誰しも思います。願いがかなった時の情景を、空想することもあるかもしれません。 その時、脳裏に浮かんだ光景は何でしょうか?過去の恋や人間関係で傷ついた経験を打ち明け、「辛かったね、もう大丈夫だよ、これからは。」と抱きしめられる図だとしたら、ちょっと危険です。 相手も、困難なことがたびたび訪れる人生を、迷いながら歩いている自分と同じような人間なので...

ヒステリー性格の周辺

 かつてのヒステリーという呼称は、ICDおよび DSMでは用いられなくなっています。ICDでは解離性障害、DSMでは解離性障害と転換性障害に分かれています。いやな出来事の記憶を失う解離性健忘、心理的原因による心身の機能障害、いずれも病態ですが、そこに至りやすい人格的特徴といえば、強迫性人格、演技性人格、自己愛性人格等の自己顕示性の強さがあげられます。 共通する心理として、衝動的な攻撃性、幼児的な依存心、表層的...

失恋を取り巻く激情

 大切な異性が、他の誰かのもとに去っていく、自分から離れていくという、望ましくない展開を迎えた時、わたしたちの心は、さながら疾風に吹き飛ばされそうな木の葉のようです。 別れを切り出す側にとっては、それは清算であり、新しく選んだ相手に示す誠実ですから、終わった恋を忘れるための努力などは不要でしょう。別れの後には新しい充実した幸福な暮らしが約束されています。当然、離別の痛みは伴いません。感情的に優位に...

暴露療法

 中学生のころ、猫を異常に怖がる友人がいました。手乗りサイズの子猫ですら、怖くて抱っこできません。彼女は猫の性質について何も知りませんでした。そのために爪や牙によって危害を受けると思い込んでいたのです。 このような人は少数派でしょうが、対象が蛇となれば、該当者は多いのではないでしょうか。街に暮らす私たちは、蛇の習性をあまり知らず、一方、その毒の脅威については誰しも聞き及んでいます。 ところで、世の...

諸行無常

 TVが古い記録映像を放送しています。現在とは違う日常に生きている人々の姿を見て、ふとこんなことを感じたことはありませんか?「この時、わたしは何処にいたのだろう?少なくともこの世にはまだ居なかった。では、何処にいたのだろう?」 私たちが登場する以前から、様々なドラマが、この地上で演じられていました。毎日同じことが繰り返される安定した日常であるはずのドラマも、放送時間内に10年20年という単位で早送りさ...