Sponsored Link

失恋の自虐ドラマ

 失恋は恋を失ったから辛いんじゃなくて、実は、まだ失っていないから辛いんですね。
 彼はもう、気が変わってステージを降りてしまった。こんな展開になるとは思いもしなかったステージに、取り残されてしまっている。
 人生のドラマはまだ続いているけれど、彼とのドラマは、彼が去ることによって終ってしまった。にもかかわらず、ドラマを中止にして、さっさと幕を下ろし、ステージを去ることなど出来ない。これが失恋というドラマ。
 このドラマには、厄介な登場人物もいます。彼を取り巻く女性。彼が去った後のステージに、その女性が残っていたりします。勝者の特権を振りかざし、敗者に止めを刺すため、一歩違ったら、自分が敗者になるかもしれなかった、危うい勝利を不動にするため、人知れず陰湿な攻撃を加えてくる、などというサブストーリーまであります。

Sponsored Link

 失恋は魂の死ですが、これでは、死にきれません。彼がかざした言葉のナイフで首を切られ、もはや、誰の目にも、死ぬ定めであることは解りきっているのですが、それでも生きたいと絶叫しています。ナイフを振るったその相手に、「わたしはこんなに傷ついて苦しいから、介抱して。」と訴えます。
 邪魔だから切りつけた相手が、血を流しながら追ってくる、これは、彼には恐怖だったことでしょう。追って行ったところで、そこに見るのは、自分が流した血と涙の海にボートを浮かべ、睦みあう二人の姿です。なんと人生は不公平で理不尽で、惨酷なことでしょう!!
 自分は、彼に触れることもできないのに。
 愛する人に愛されて身体を重ねる喜びを知らないままに、これからの人生を一人生き、死んでいくしかないというのに!!
 彼女は何千何億の夜と昼を彼とともに過ごし、身体を重ね、愛と快楽に酔いしれる人生を生きてることを許されている。同じ一人のオトコを愛したにもかかわらず。
 やっかいなことに、恋というものは どちらかが去れば成立しえないもの。 どちらか一方が、恋の死を決めてしまえば、もうひとりも否応なしに死ぬわけです。
[他者によって一方的にもたらされた死]失恋は、いわば他殺です。ですから、血を流しながらも、死にたくないと命乞いをするのです。
 恋人でいるのがムリなら、ふたりのいい友人、隣人としてでもいい、傍にいさせて......!!
 究極の自虐ドラマです。愛し合うふたりの姿を目の当たりにする日常でさえ、彼と全く会えなくなってしまうよりはましだと、譲歩するのです。
 恋の断末魔は、薬物の離脱症状にも似ています。すでに別のステージに上がってしまった人を、身近に見続けねばならない日常は、離脱症状を長引かせる結果になってしまいます。
 真の失恋は、その人の幻影が胸中から消え去るとき、自らがステージを降りるときといえるのでしょうか。

スポンサーサイト
テーマ: 恋愛依存症? | ジャンル: 心と身体
カテゴリ: 失恋の処方箋

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

私書箱

2008/07/30 (Wed) 15:16 | 激安!池袋の私書箱新規オープンです