2008.08.08 (Fri)
ボーダーライン症候群
アメリカ精神医学会の精神科診断基準「DSM-Ⅳ」では、下記のうち、5項目が該当すれば、境界性人格障害と診断されます。
・見捨てられることへの強い恐れ。
・過剰な理想化と過小評価との両極端を揺れ動く、激しい対人関係。
・不安定な自己像(同一性障害)。
・衝動的で自分を破綻させるような行為(摂食障害、浪費、恋愛・セックス 薬物などへの依存)。
・自殺行為や自傷行為を繰り返す。
・目まぐるしい気分の変動、不安定な感情。
・慢性的な空虚感。
・不適切で激しい怒り。そして、それを制御できない。
・一過性の妄想観念 解離性障害。
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よく知りもしない人を理想化してしまったら、落胆するのは目に見えています。理想化するのは、その相手に、自分を今の境遇から救い出す魔法の力を求めているからかもしれません。それだけに、落胆が大きいのでしょう。
リストカットやそれをするそぶりは、愛情飢餓の、必死の悲鳴のようです。まるで溺れるものが浮き輪にしがみ付くような激しさなので、小さな浮き輪にしか過ぎない他者は、その渦に巻き込まれて、助けようとして差し伸べた手を、振り払いそうです。
人に見捨てられたくないから、大多数に気に入られる自己像を、懸命に演じているんですね。その為に、権威者の発言が変われば、自分も変わり、自分がない状態になってしまいます。
リスクを恐れては、自分らしさを出せません。そうまでしてもうまくいかなかったなら、激しい怒りが雪崩を起こすのも無理のないことかもしれません。
過剰な期待の果ての他者不信。現実に背を向け、不変の愛を注いでくれる架空の人物への空想に埋没するようになるかもしれません。空想は、ひとりでは心もとないので、同じ妄想を共有してくれる他者を求めます。
誰しも、批判や拒絶を受けることは、嬉しくありません。ボーダーライン人格障害に限らず、自分の傷つきやすい部分に、誰かが土足で踏み込もうとすれば、人は防衛的になります。
その防衛手段として、相手への攻撃や、相手の存在への拒絶があるのです。
激昂しやすい人の中には、ストレスを抱えていたり、劣等感を知られまいとしている人もいるでしょう。
ボーダー的傾向の一つやふたつは、誰しも持っているものです。人格障害は、偏りの程度の問題といえるかもしれません。
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自分に甘いんじゃなくて、自分を信じられないでいるのかなと感じます。
全面的にいつも自分を信じられる人はいません。
ただ経験が豊富で熟知していることに関しては信頼できます。
豊富な経験も、最初の一歩から始まります。
自信が無くても、とにかくやってみる気になれるには、
失敗したっていいんだ、孤独なのは誰だって孤独なんだ、
自分だけじゃないって開き直ることから始まるのだと思います。