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三角関係-立場を入れ替えて考えてみる

 もしも立場を入れ替えられるなら、私をあなたの車の助手席に乗せてね。

そして、後部座席に、あなたを恋い慕う人を乗せないでね。

私たちが心を通わせ合い、私的な会話を交わすさまを、あなたを慕っている彼女に見せつけるなんて、惨たらしすぎるわ。

彼女の気持ちに応えられないなら、彼女を解放してあげてね。

愛する人から愛されない辛さは、身に染みて解るから。

彼女には、彼女を大切に扱ってくれる人と、幸せになってほしいの。

わたしはあなたから愛し返され、幸せだから、少しも顧みられない彼女が不憫でならないの。

あなたを愛する二人の女を、同時に連れ歩いてはいけないわ。

その二人をおなじほど大切にしているならともかく、私にだけ一方的に親密な態度をとり、彼女を放置したままでは、あまりに不憫でしょ。

彼女には、不毛な恋は早く見切りをつけて、もっと自分を大切にしてほしいの。

幸せな恋をしてほしいと願わずにはいられないの。

 

 優香は彼のパートナーである恵子のポジションに身を置いて、かつてのシーンを思い浮かべてみました。

「私の彼と口をきくのは許せない。あなたを責めるのは私の当然の権利。あなただって、私の立場に立てばそうするはず。」

かつて、家に乗り込んできた恵子から、こう言い放たれたことがあったのです。別段、彼女に隠れて彼と交際しているわけではないけれど、密かに彼に好意を寄せているというひけ目がありました。恵子にとって不快なことに違いないと考えました。

だから、人目をはばかりながら陰湿な攻撃を繰り返したり、敵意や反感を露わにするのは、彼女にとって当然の心理だろうとと思ったのです。

 ところが、言われたように彼女の立場になったと想像してみると、どうでしょう。顧みられない辛さに耐えながらも、彼の期待に応えようと行動を共にしているその存在に、痛ましさを覚えることはあっても、攻撃しようとは思いません。そんなことをすれば、そうした自分の姿に、自己嫌悪を感じてしまいます。

 


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  立場を入れ替えてみれば、真相が見えてきます。恵子の立場に立った優香が、後部座席の彼女を不憫に思えるのは、彼の心が自分の上にあり、自分たちの関係が不動だという前提に立っているからです。もし、ここが揺らいでいたら、自分よりもかわいい女性が現れたら、彼の心が移ろってしまうと感じていたら、穏やかではありません。

 実際には、いくら彼のもとに女性のほうから寄って行ったとしても、彼にその気がなければ、関係は成り立ちません。事実、優香は、心に秘めているだけの片思いだと思っているのですから。彼の愛情が自分に向けられているとは、常日頃の彼の態度から、微塵も感じてはいないのです。

 恵子は、彼に対する信頼を喪失していたのかもしれません。そして、信頼しきれない彼にしがみつき、優香という【外敵】に対する攻撃を、正当化していると言えそうです。

 優香にも誤算はありました。憧れている人の恋人やパートナーにはなれないから、せめて二人のよき隣人、良き友人となって、皆で和気あいあいとした時を過ごしたいと考えていたのです。

 ですが、好きな人に対しては、選ばれ存在になりたいと願うもの。その人が、他の異性と親密にしているところを目撃し続けるのは、辛いものです。

 愛する人から、愛されない。それは相手の意志ですから、仕方がないと、優香は諦めていました。耐え難かったのは、恵子からの、隠された敵意がにじみ出るような、陰湿な攻撃性に満ちた態度の数々です。

 そんな仕打ちを受ける覚えはないと、優香は思っています。そして、なんて、この世は理不尽なんだろうとも思います。恵子は、彼のすべて、彼の体も、心も、全てを独り占めしています。それなのに、自分はと言えば、彼のためにできることはすべて投げ出しても、指も触れられないのですから。

 優香を苦しめたのは、彼女が勝者で、自分はみじめな敗北者だという思いでした。

 ですが、恵子というパートナーがありながら、優香や、他の女性にも強引に近づいていく彼が、当初優香が思っていたような【王子様】であるかどうかは、いささか疑問です。

 

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テーマ: 恋愛依存症? | ジャンル: 心と身体
カテゴリ: 恋愛依存

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