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複雑性心的外傷症候群 その特徴

 その個人が個人らしく生きられず、自尊心を苛まれる環境下に長期間置かれた場合、その環境を離れた後も、時間が止まったかのように、当時の記憶に長期間苦しむことになります。過去に束縛され、凍結された時間を生きているという状態に陥っているともいえます。
  脳裏には、当時の出来事が、映画のように繰り返し繰り返し、上演され続けているのですから、それを見つめ続ける心は、いつも不機嫌です。生まれてこなければよかった。生きていてもいいことなど何一つ無い、もう人生に疲れてしまったと、心中では嘆き続けています。
 こうした状況下では、目の前で起きた、些細なトラブルに、いきなり爆発的に激昂して、家族に当り散らすというようなことが、しばしば起きてしまいます。何故、これしきのことでそれほど怒るのかと周囲は理解に苦しむでしょうが、極度に抑止された憤怒が、関係の無い相手に向けて爆発してしまうのです。

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外傷的事件については、何年たっても、鮮明に記憶が残っています。そのとき、彼が、彼女が、どういう表情を見せ、どんな言葉を吐いたか、脳裏に焼きついている記憶は消したくても消えません。それを毎日反芻して、屈辱感をかみ締めるのです。あるいは、そういう相手とかかわってしまった自分を叱責します。
 相手が社会的に上位であり、権力を行使されたような場合、自分の味方についてくれる人は誰もいないと思い込み、孤立無援感にも陥ります。
 加害者が自己を正当化して、今も社会的賞賛を得ていると、この世の中はなんと理不尽で、不平等で残酷なものかと、自らへの無力感が加速します。加害者には敗北も死も無い永遠の命が与えられているような錯覚にすら陥ります。
 自らの傷を癒さんとして、「あの人たちのおかげで、人間の本性、貪欲さや邪悪さについて学べた」のだから、感謝さえしようと合理化を試みます。ですが、何度も何度も繰り返し斬りつけられた傷が、癒えもせず、化膿してさらに悪化している状態ですから、所詮無理があります。
 自分の心の中にある本音を、被害者は知っています。加害者の敗北を願う思い、復讐心です。復習するだけの力も無く、これ以上に自分を惨めな存在にしたくはないので、実行することはありませんが、相手の訃報に接したいという望みを抱いていることを自覚しています。
  対外的には、加害者たちのいる組織、社会からの撤退、また仕事にも支障が出、引きこもることになります。すると孤立感に苛まれ、理解者、支援者を内心は求めますが、理解されるという期待は持てません。ですから、過去に対して、口をつぐみ、語ろうとはしません。
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テーマ: 壊れそうな心 | ジャンル: 心と身体
カテゴリ: 抑うつ

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