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復讐幻想

 銃社会アメリカで、かつて、元妻が去っていった夫と、その現在の妻を殺害するという事件がありました。その逆、元夫が元妻とその恋人を殺害するという事例もあります。
 刃傷沙汰は多くの場合、痴情関係のもつれの果てに起きます。人は、親密な関係にある異性には、排他的で絶対的な忠誠を要求し、しかもそれを当然の権利だと考えがちなのです。
  かつて自分にまぶしい笑顔を向けてくれた人が、今では他の異性と、満たされた何不自由のない暮らしをし、自分はといえば、ただひとり、暮らしぶりも貧しく、孤独に耐えているという状況では、去っていった相手を許すのは難しいでしょう。
 元夫とその現在の妻に向けて引き金を引いた女性も、夫が無名で貧しい時代、懸命に彼を支えてきたのです。ところが、成功した夫は、きらびやかな世界で出会った女性の下へ去ってしまいました。
 彼は私のもの。人の夫に手を出す女は邪悪な存在。夫は妻一人を守って当然。それが正しい愛の姿。所有欲から生じるこうした認識から、こうした被害感情に陥っていったのでしょうか。

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『雪の女王』は、想いを寄せる村の若者が、心に妻と決めた相手だけを乞い求め、女王のひたむきな想いを少しも汲まず、足蹴にしてしまったことに立腹し、ついに彼を氷の中に閉じ込めてしまいます。
 他の誰かに渡すくらいなら、いっそ......。報われぬ想いは、容易に殺意にすり替わってしまいます。
 ですが、相手に報復を果たして、得られる成功、達成感とは何でしょうか。氷の中の屍は、二度と微笑むことはありません。被害者意識で武装し、相手を罪に定めて裁き、大衆の同情や社会規範を味方につけて、それで、傷ついた自尊心もいくらかは回復するでしょうか。ですが、すぐに気付くことでしょう。求めていたものは、これではないと。
 その人の微笑み、その人のぬくもり。愛し合って過ごす至福の人生。報復をしても、それを取り戻すことはできないのだと。

 恋愛は始めるよりも、終わらせるほうが難しいものです。相手をストーカーにしない、殺意を抱かせないためにも、相手の心痛への洞察力が必要といえるでしょう。

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テーマ: 恋愛依存症? | ジャンル: 心と身体
カテゴリ: 失恋の処方箋

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