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ボーダーラインの不安定な対人関係

 これから逢う人のために、ちょっとしたプレゼントを用意するのはよくあることです。気のきいた人は、あらかじめリサーチしておいた相手の好物を携えていきます。あまり深くは考えず、自分の好みで選び、きっと相手も気に入ってくれるはずと期待することもありがちなことです。そして、手土産のお菓子が、相手が甘党ではなかった、あるいはダイエット中などの理由で、あまり喜ばれなかったと知ると、がっかりします。
 未熟な人が、携えていくのは、手土産ではなく、お願い事です。近づく口実としてお願い事を持っていくのです。
 それが、よほど困難な内容でない限り、知人から頼みごとをされると、とりあえず引き受けるという人は多いことでしょう。ちょっとしたことで誰かの役に立ち、喜んでもらえるのは気分のいいことですから。
 
 境界性人格障害の人には、特徴的な対人関係の持ち方があります。知り合ったばかりの誰かに好印象を受けると、その人にいきなり長電話を掛けたり、頼みごとをしたり、といった手段でお近づきになろうとするのです。
 相手からすると、要求ばかり多い迷惑な人、ということになります。度重なると重たくなってきます。
 この拒絶のサインに気付くと、ボーダーラインの人は激昂します。素晴らしいと思っていた人が、最悪の人に転落してしまうのです。
 すると、その思いを胸の中にしまっておけません。電話や手紙、あるいは直接乗り込んで相手に抗議します。その攻撃の激しさに、相手は当惑し、深く傷つき、もうこの人とはかかわりたくないと、離れて行ってしまう事も少なくありません。

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  こうしてAさんとの関係が転覆しそうになると、そのうっ憤を、顔見知りのBさんに、晴らしてもらいたいと願います。Bさんとも顔見知り程度で、どういう人であるか、どういう仕事をしているか、多忙であるかどうかも知らないのですが、ここで勝手にBさん像を描いてしまいます。あの人は見た目優しそうだから、きっと解ってくれる、といった具合に。
 これは誤算です。Bさんとしては、多忙なさなかに、顔見知り程度のBさんから、こちらも顔見知りのAさんの誹謗中傷を長々と聞かされるのでは、たまったものではありません。
 なんとか早く切り上げてもらおうと、なだめるのですが、一向に配慮されないと、だんだん腹が立ってきます。じゃけんにも扱えないと、イライラを堪えていると、そうしたBさんの態度に、今度は怒りの矛先が回ってきます。
 「私の話をちゃんと聞いていない。ちゃんと聞きなさい。」そこで、今度は激しくBさんを攻撃するのです。
 
 最新の脳画像診断で、こうした破壊的な言動をとる人たちは、他の人たちに比べて、前頭前皮質の活性が低いことが解ってきています。この部分の機能低下が脱抑制の原因になると考えられています。
 近い将来、生物学的な治療法が見つかる可能性はありますが、当面、身近にいるボーダー的な人との付き合いでは、自分の自尊心を守ることが先決でしょうか。
 彼らは、反面教師として、大切なことを教えてくれています。
 人の善意は、その人のできる最大のものとして受け取ること。不足を感じても、それを口にして、相手との関係が以前より良くなることはありません。たとえ、相手が、悪かった、次からは気をつけると言ったとしても。
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