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ヒステリー性格の周辺

 かつてのヒステリーという呼称は、ICDおよび DSMでは用いられなくなっています。ICDでは解離性障害、DSMでは解離性障害と転換性障害に分かれています。いやな出来事の記憶を失う解離性健忘、心理的原因による心身の機能障害、いずれも病態ですが、そこに至りやすい人格的特徴といえば、強迫性人格、演技性人格、自己愛性人格等の自己顕示性の強さがあげられます。
 共通する心理として、衝動的な攻撃性、幼児的な依存心、表層的な虚言の多さ、などがあります。ヒステリー性格といえば、突然キレる、その時の金切声といった繊細さを感じさせる人格としてイメージすることも多いでしょう。
 また、自慢の多さ、それも、その価値基準が学歴や所属組織、権威や俗世間的な価値観などの、表層的な基準に限られることが見て取れます。
 人間的な魅力や、その人の持っている知識や知恵などは、評価の対象とはなりません。人間味よりも、解りやすい学歴や職業、社会的権威や地位を重視します。
 したがって、自分や家族が、いかに他人よりも優れているかといったことを吹聴したがるきらいがあります。実績を重ね、高みに登れば、周囲からの賞賛の的でいられるというサクセスストーリーのもとに、ワーカホリックとなり続けることもあるでしょう。それがどれほど虚しいことであるか、また山頂がどれほど厳しい荒野であるかなどは、想像しがたいのかもしれません。
 他者の心理や物事の真相への想像力は、ヒステリー性格の苦手分野です。倒れた人に手を差し伸べたとしても、相手の痛みへの共感はありません。助け起こす自分が、周囲の目に立派に映っているかどうか、それが一大事なのです。
 ここで、他者を自分の承認欲求や満足のための引き立て役として利用しているといった自覚も持ちえていないことでしょう。

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他人のことばも額面通りに受け取り、空気は読めません。対人関係も常に上下で考えますから、フラットで親密な関係性は築けず、表層的なものに終始します。
 実年齢が幾つであろうとも、情緒発達の未熟さを内面に抱え持っています。とりわけ、自分以外の他者の心理への想像力に欠けていることが多く、相手を不快にさせたり、苦痛を味あわせていることに気づかず、相手からの当然の反論に血相を変えて激高します。
 うつ病になりやすい傾向もあり、様々な身体への転換症状がでることもありますが、疾病利得を期待するかのように、誰に対してもはばからずカミングアウトする傾向もあります。
 功績をあげて大切にされたい、それが叶わないときは弱音を吐いて大切にされたい、いずれも愛されたい自分に終始しています。
 他者がその期待にそぐわないと、絶対に裏切られることのない存在、心の中にだけ存在する自分だけのアイドルに愛されている自分像を築きあげます。そして、その存在に愛されるための基準を満たすために、また本来の自分の人間らしい欲求にブレーキをかけることになるのです。
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