Sponsored Link

過去の恋の傷

 過去に傷ついた、傷つけられたと感じている誰かを許すことは、難しいことです。第三者は簡単に「許してあげなさい、自分の幸せのために。」などと言うかもしれませんが、それほど簡単にできることではありません。100回、あるいは1000回、「許さなければならない」と心に言い聞かせたところで、傷つけられた気持ちや、散々に扱われた相手の言動がふっと蘇るたびに、そんな努力は吹っ飛んでしまいます。
 一生涯、許せない。それほどまでに憎んでしまっている心の奥には、それほど激しく否定された自分の存在があるのです。もう魂が死んでしまった、そう思うほどに、心が傷ついてしまっているんです。

Sponsored Link

あれほど好きだった、この世でたった独りの人だと思っていた、その相手に裏切られてしまった自分、口の端に薄笑いを浮かべて否定されてしまった自分......。
 そんな自分がみっともなくて、無意識のうちに、自分を責めてしまいます。そして、もう二度と同じ思いはしたくないと心が閉じてしまいます。
 すると、また誰かを好きになったとしても、すぐに踵を返して逃げ出せる範囲までしか、近づくのをやめておこうと考えます。積極的にはなれません。「また、みんなの物笑いの種になるのはイヤだ!!」という思いが脳裏に去来します。
 あれほど一生懸命人を好きになって、その人に喜んでもらおうと時間も心もお金も使ったこと、それらのすべてが、相手が他の誰かのもとに去ったことで、「恥ずかしい経験」として、脳裏に刻印されてしまっているのです。まだ、その人を好きなまま、ひとり取り残されてしまった自分が、みっともなくて、許せないのです。ですから、自分をそうしたみっともない存在にした相手も許せません。
 今でも、その人が好き.....。自分を決して幸せにはしてくれないその人への好意を、今でも捨て去れずに、心の奥底に抱えている。怒りや憎しみの底には、充たされない願望が、尚も灯りつづけているのかもしれません。
 遠く遠く時が過ぎ去り、別の人生を生きて、その日常に満たされて、幸せを見出して、ふと昔を振り返るとき、跡形もなく憎しみが消え失せていることに気付くのかもしれません。
 憎むに時あり。許すに時あり。今は許せなくてもいいのです。いつか許せる時が来ます。
スポンサーサイト
カテゴリ: 失恋の処方箋

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する