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失恋の力

 今思い出しても、あれは人生で最悪の経験だったという、悲惨な結末を迎えてしまった恋。その相手は、これまで出会った異性の中で、最低の存在に成り果てていることでしょう。人生で最悪の経験と思えるほど、傷つけあってしまったのですから。
その苦い記憶が、ほのかな暖かい色をも、真っ黒に塗りつぶしてしまっています。楽しいひと時も、あったはずなのに。
 それを台無しにしてしまったのは、ちょっとばかり、多くを望んだからかもしれません。逢いたい、もっと傍に居たいと。
 それを愛だと思っていた。自分を幸せにするために、その人を必要としていたことに、気付かずにいたのかもしれません。他の人と、その人が幸せに生きることを許せるはずもなく、裏切りだとしか思えなかったのかもしれません。
 どんなに優しい人も、いえ、いちずでまじめな人ほど、この恋の罠に落ちてしまいます。

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そういえば、優しい人だったな、いつも気遣てもらったな。そんなふうに思い出せる時、それは別の誰かが、たいせつな存在になった時かもしれません。その別の誰かに対して、かつてのように、渇いて水を探し求めるような渇望を感じない自分を発見するかもしれません。むしろ、その人が今どうしているか、ちゃんとご飯を食べているか、風邪を引いていないかと、気遣うばかりです。たとえ、このまま成就することなく終わったとしても、出会えたこと、それ自体に感謝の思いがいっぱいです。
 この人を幸せにしたいと願います。相手がそれを望まず、距離を開けたがっているのなら、それも仕方ないと思います。たとえ離れていても、その人がいつも幸せでいることを祈ります。
 かつての幼い恋では、相手に幸せにしてもらいたい、愛されたいと願ってやまなかったものですが。想う相手に、それほどの想いや力がなくても、かつてのように悲しみません。愛することと愛されたいと願うことは違うこと、愛は受け身ではないことを知ったのです。それは、かつての苦くて辛い失恋がもたらしてくれた力でしょう。
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テーマ: 愛のかたち | ジャンル: 恋愛
カテゴリ: 失恋の処方箋

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