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愛と別れ

 もしもわたしが、重い病床にあって、愛する人の傍らには、すでに別の異性がいたとしたら、
「あの人を頼みます。幸せにしてあげてください。」
そんな言葉が唇を突くのでしょう。
 身を切られるような嫉妬の苦しさは、その人なしに、一人生きる身の寂しさを思えばこそのもの。この世を去らねばならぬ身ならば、後に残していく人の孤独を案じずにいられるでしょうか。

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 もしも愛する人が病床に伏しているとしたら、他の健全な誰かと安全な生活を営むことなど、考えもせず、ただ傍に寄り添い、
「わたしを独りにしないで」
と哀願するでしょうか。
 大丈夫、独りにしないから。と握った手に力を込めながらも、その人が去ってしまうと、いつか二人で歩んだ丘の桜を眺めながら、今はいないその人を想うことでしょう。かつて傍に居て、今は去ってしまった人たちを偲びながら、ああ、いい人生だったと想うでしょうか。
 季節は巡り、また花は咲くけれど、人は来て人は去り、片時も留まってはいないものです。
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テーマ: 愛のかたち | ジャンル: 恋愛
カテゴリ: 恋愛依存

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