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ボーダーライン・パーソナリティ

 境界性人格障害の人は、衝動的で、自尊心が低いという特徴があり、対人関係も不安定になりがちです。人に対する態度も認識も、興味や関心の対象も、短期間のうちに変化します。
 たとえば、新しく知り合った友人や恋人を過大評価していたかと思うと、ほんのわずかなことで、思いやりがないなどと相手を責め、罵倒した挙句、すぐに絶交するといったことも、往々にしてあります。仕事も人間関係も、長続きしません。
 その日の気分次第で、成り行きで生きているといった印象を周囲に与えます。自分の利益を脅かす事柄に対しては、かなり敏感なのですが、それより次元の高い精神面では、非常に鈍感なのです。
 相手の利害や心情に、想像力が及びません。果たすべき役割や約束に対する責任感とか、愛とか好奇心と云う、極めて人間的な情操活動がほとんど停止してしまってるかのようです。付き合う相手から何を得られるかには敏感ですが、与えねばならないものは惜しみます。冷たい心情の持ち主である上に、怠惰で、逃避的です。
 主体性が乏しく、内面は非常に空虚であり、いら立ったり、腹を立てたり、情動も安定性を欠いています。

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いくつかの前頭葉の異常が、衝動性や他者への感情移入の乏しさに関与しているといわれています。他にも、キレる時の攻撃性の激しさなど、左側頭葉の異常も伴っています。
 目標を育み、それを維持するには、言行の一致と衝動のコントロールが不可欠です。感情に翻弄され、瞬間湯沸かし器のように反応していると、自分らしさも、自分が求めていたものも、見失ってしまうでしょう。
 自分の都合や利益ばかりでなく、他者の感情や利害を推し量るには、じっくり考える時間が必要です。衝動に支配されて、周囲に混乱をもたらす言動を取っていると、自尊心が育まれません。
 自分自身の言動がもたらした不都合を、他者や周囲に転嫁して、被害者を装っても、誰も同情してくれません。自分に責任を持てるのは、自分自身しかいないという事実を知ることが大切です。
 魅力を感じる相手を理想化して崇拝したあげく、小さな難点を見つけたからといって、絶交していたのでは、社会の中に安住するのは難しいでしょう。そして、社会から逸脱すればするほど、自分しか見えなくなってしまいます。
 わたしたちが友人を裏切ったり、逸脱行動を取らずにいるのは、相手を悲しませたくないという慈愛の心と、自分の蒔いた種が結ぶ実を怖れる心があるからでしょう。前頭前野皮質の活動の低下している人が、道を踏み外さないためには、社会化されるために、周囲の人と結びつく必要があるのです。もっとも、ボーダーライン・パーソナリティの人には、これが一番難しいのですが。
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カテゴリ: 脳と精神

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