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きずな喪失症候群

 発達障害の特徴は、他者の心情に想像力が及ばないことだとされています。つまり、それは、対象に対して関心がない、心が常に自分だけを捉えているということでしょう。したがって、物事の判断は、自分にとって損か得かになります。
 すると、目先の感情や利益を優先して、簡単に人を裏切ったりするのです。

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たとえば、平気でアポイントメントやデートの約束ををすっぽかす人が稀にいます。すぐに嘘と解る見え透いた言い訳を繰り返して、何度もドタキャンを繰り返します。それで信頼を失うとは、考えていないかのようです。
 約束自体を軽く考えて、許されるだろうと思っているのかもしれません。まさか、ドタキャンの繰り返しぐらいで、全人格を疑われるとは思っていないことでしょう。本人にしてみれば、そんな事ぐらいで、と思える些細な出来事の積み重ねが、信頼を大きく損なっていきます。
 約束は進んでしたものの、間際になって、それに掛かる費用に対して、充分なものが得られるか疑問に思い、行きたくなくなってしまう。損をしたくない一心で、土壇場にキャンセルしてしまう。こうした葛藤は、そもそも絆を喪失している人に多いようです。そうした場合、新しく絆を築こうとする意志の中にも、損得勘定が幅を利かせます。どれだけ利益を受け取れるか、安全か否か、そこにばかり視点が当たると、そもそも約束とは、果たした時点で完結するという発想が持てません。約束した時点では、確かにそうするつもりだった、ウソを言ったわけではない、というのが言い分です。
 それで何を失うかに想像力が及ばないのは、気の毒なことです。その時は金銭や時間等のささやかな利益を得るのですが、いつの間にか周囲から浮いてしまい、孤立を深めることになりかねません。
 信頼を築くのは、日々の誠実さの積み重ねです。しかも、失うのは一瞬なのです。一旦信頼を失うと、取り戻すには、時間も動力も掛かります。思いがけない事故や体調不良が理由であった場合ですら、仕事に穴をあけてしまうと、職場での対人関係に、よそよそしさを感じる場合があるほどです。ですから、その人が、ケチな利己心のために失ったものの大きさを考えると、責める気にもなれません。むしろ、すでに多くを失っている人だからこそ、その背景にあるきずな喪失症候群の痛みを感じ取って、思いやる対応が必要なのかもしれません。
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