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脳から観る理解

 精神活動は脳にある無数のニューロンと、それに栄養を送るグリア細胞の活動の総和です。すべての領域で、脳が順調に機能しているとき、人は優れた人間力を発揮します。いずれかの場所で変調をきたすと、その領域や量によって、それぞれに異なった複雑な精神の不調を起こします。
 統合失調症は幻覚妄想などの陽性症状と、意欲減退などの陰性症状を呈して、認知機能障害をひき起こし、社会生活に大きな影響を与えます。1980年来以降の画像解析の進歩によって、こうした変調をきたした脳の状態が明らかにされつつあります。統合失調症では、灰白質の体積が若干減少し、脳室が拡大している状態が見て取れます。
 これは「なぜあの人は、あのような言動に走るのだろうか?」と、当事者の不可解な言動に翻弄されている周囲の人々には、救いとなるかもしれません。この脳の状態では、無理もないと明確に理解できるからです。

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双極性障害は、躁状態での社会的逸脱行為によって、信頼を失墜することが多い障害です。明確な認知機能障害がないために、周囲がその異常に気付きにくいせいかもしれません。
 発達障害は、さらに解りにくい障害と言えます。一見普通の人ですが、何かしっくり心が共鳴しません。社会のルールに従わず、常に自分のルールに従って行動するといった特徴があります。それで周囲が迷惑するということが想像できません。普通の人の想像を絶するほど、共感的能力が乏しいのです。結局、周囲から浮いた存在となり、自分自身への信頼感を築けなくなったりします。

 あなたの周囲に居るあなたの良識を越えた人は、何らかの脳の不調を抱えた人です。失恋や配偶者との死別等の外因性鬱の場合は理解も容易ですが、内因性の場合は、わけが解らず周囲も苦しみます。相手の逸脱や不適切な攻撃に対して、憤りや怒りを覚えることも多いかもしれません。自分の対応の仕方に原因を探して、自責の念に駆られることもあるかもしれません。
 わたしたちは一人一人顔立ちが違うように、脳の機能状態も違うのですが、社会には共通の認識や良識があるかのように信じがちです。それがあるからこそ、安心して外への一歩を踏み出せるのですが、よく見ると、ひとり一人微妙に違います。
 逸脱した人に出会ったときは、必要以上に悩まないでください。このような人もいると知り、そうした人への理解を深める機会なのです。
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カテゴリ: 脳と精神

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