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自閉症スペクトラム

 自閉症スペクトラムの人は、高い知能や言語能力にもかかわらず、他者の意図や感情を直感的に汲み取ることが苦手です。そのため、しばしば社会生活に困難を感じたり、あるいは周囲が困惑したりします。相手や周囲の状況を理解し同調するといった対人コミュニケーションの障害が主な特徴で、近年の脳科学の発達から、定型発達者との脳活動の違いが解ってきています。
 定型発達の人は、相手の発言内容と表情や声のトーンが異なっている場合、非言語情報を重視して相手の真意を読み解くことが多いものです。そのときには内側前頭前野など、相手の意図や感情を理解し判断する部位が活動します。自閉症スペクトラム障害の人では、非言語情報を重視する傾向が少ないのです。内側前頭前野の活動が喚起されにくいことが解っています。この内側前頭前野などの活動が弱いほど、日常生活における対人コミュニケーションの問題が生じてきます。
 一方、不安や恐怖といった危険を察知する刺激に対して反応する扁桃体の活動は増強されます。その結果、統合失調症に似た症状が出現する場合もあります。
 精神症状が出現する背景に、社会的場面での他者との関係構築の失敗、それに対する偏った認知などがあります。外部情報を的確に認知しえないがために、不安や恐怖が過剰になってしまうのです。

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他者との交流の失敗で、傷ついた経験が多いだけに、他者の評価がいつも気になります。低い、あるいは悪い評価には、過敏になりがちです。したがって、いつも相手の中に自分を否定する兆候を探しがちです。コミュニケーションがうまくいかない自分側の理由を理解できないでいる状態ですから、どうしても被害意識を持ちやすくなります。それが高じると、時には攻撃的になる傾向もあります。
 社会的状況を察知しにくい脳は、社会的場面で、常にストレスにさらされます。社会経験の中での度重なるストレスやトラウマを契機に不適応に至り、二次障害としてうつや強迫症状、パニック、妄想様症状など人格障害と区別しがたい多様な特徴も現れます。基底に発達障害があり、症状として人格障害や精神疾患があるとする見方もできるかもしれません。
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カテゴリ: 脳と精神

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