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境界性パーソナリティ障害の輪郭

 境界性パーソナリティ障害は、衝動的な言動を特徴としています。湧き上がってくる衝動をうまく制することができず、普通の人がするように、よく考えてから発言することができません。相手や周囲が困惑したり不快に感じるような発言を、気分のままに口に出してしまいます。
 当然の結果として、あちこちで難航する対人関係を経験することとなります。その出来事に自分が及ぼした負の影響を直視することが難しいので、責任も自覚できません。必然的に不満や愚痴が多くなり、自らが作り出した不幸を他者や環境のせいにして嘆きます。
 心の中では、自分を受け入れてくれる、依存できる関係を求めています。柔和そうな人、包容力のありそうに見える人、遠目に眺めて、この人なら!と思えるような人を見つけると、不自然なほど急速に接近しようとします。
 この時には、見た目の印象だけで、相手を理想化しています。ですが、接近して、思い描いていた相手の姿とは違った一面を見たり、相手からの抵抗や拒絶に出会うと、理想像は脆くも崩れ去ります。相手は、一気に人格や人間性に難のある人と化してしまうのです。今しがたまで理想化していたその人を、こき下ろし、非難せずにはいられません。思っていた人と違う、役に立ってくれそうもないと知ると、相手を罵倒して見限ります。あるいは、それは、自分が拒絶される痛みを回避する手段かもしれません。

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相手からすると、ほんの顔見知り程度の人が、やけになれなれしく近づいてきては、あれこれの頼みごとを繰り返し、周囲の人たちがいかに自分を不当に扱っているかという悪意のこもった愚痴につき合わされ、これ以上はもうムリ、というラインを引こうとすると、いきなりキレて罵詈雑言を並べられるのですから、たまったものではありません。 
 本人にとって依存は自覚がないので、相手を傷つけて遠ざけても、必要を感じれば、涼しい顔でまた頼みごとに来る場合も多々あります。いずれにしても、対人関係は表面的で短期的なものになりやすいといえます。
 周囲の人にとって不愉快なやっかい者。発達途上の子供時代には、誰しも多少こうした傾向はあったかもしれません。そうした自らの問題点を自覚することによって、人は適当な社会性を身に付けて成長していきます。境界性パーソナリティ障害の人の言動には、自分本位、本音至上主義の小学生の姿と似通った点が多々あり、人格の成長が止ってしまったかのように見える人もいることでしょう。
 多くの挫折を積み重ねていることで、順調そうに見える人への依存の奥に、執拗なやっかみを隠している場合もあります。「Aさんがあなたのことを気が利かない人だと言ってたよ。」などと、嘘や噂話を用いて、他人を互いに不和にさせる傾向もあります。自分の虚偽のことばに周囲が影響を受けることに満足感を覚えるのでしょうか。それもあまり周到に準備されたものではないので、言っている本人の人間性を暴露する結果になりねません。
 最低限の適応を持って、挫折の多い人生をかろうじて生きているかに見える人ですので、手を差し伸べようとする人も少なからずいることでしょう。そうした場合には、依存と攻撃の混乱に巻き込まれることへの注意が必要です。自分には相手を更生させる、指導する力があると信じている人は、自ら進んで境界性パーソナリティ障害の人を、引き寄せてしまいがちかもしれません。
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