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愛と憎しみ

 ふたりの関係が、どちらかの心変わりによって思いがけず終焉を迎える時、心変わりされた人は、胸をえぐられるような苦痛を感じることでしょう。一方、決断して自ら別れを決めた人は、その判断を正当化し、前向きに次の人との幸せな交際をスタートさせるかもしれません。
 ふった側フラれた側によって、視界に映る状景はずいぶん違います。ふった側は、まだ何とかなるかもしれないと追ってくる相手を、疎ましく思い蔑みさえするかもしれません。振られた側にすれば、あまりにも理不尽すぎるこの現実に、相手に対して憎しみが芽生えてくるかもしれません。
 自分は一人ぼっちで充たされない想いに苦しんでいるのに、恋しい人は他の誰かと幸せに過ごしている。あの人を奪った彼女も許せない!
 恋は成就することによって、激情から穏やかな想いに移行するものです。それだけに、途中で断ち切られた未完の恋は情念が行き場を失って、憎悪の感情に翻弄されることもありがちです。相手に対する想いが強ければ強いほど、怒りと憎しみもまた強くなります。相手の不幸を願う感情に苛まれるかもしれません。
 もう一度会いたい、一目顔を見たい、でも機会がない、帰宅時間に職場の前で待っていようか.....。ストーカー行為に及ぶ人とそうでない人との隔たりは、わずかなものかもしれません。多くの人では、家族や友人の顔が浮かんだり、自分の前途を考えたり、周囲や未来の自分を不幸にしたくないという思いが、ブレーキとなるのでしょう。
 ネガティブな情念は人に打ち明けることもはばかられ、自分でも醜いと一人悶々と悩むかもしれません。ですが、憎しみは失恋から立ち直るための必然的な過程なのです。「相手の幸せを祈るのが愛」などと言って、他の人のものに走ってしまった恋人を許そうと苦しんでいると、鬱状態になりかねません。憎しみの感情が湧き起こって当然とわきまえて、あまり自分を責めないことです。

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相手もまた、ずっと後になって、ふと思い出したときに、罪悪感が湧いてくるかもしれません。自分を好きになってくれた人を傷つけてしまったと....。
 決別を言い渡した後、振った人の態度がいっそう冷たくなり、職場で鉢合わせするのを回避するように、そわそわと逃げ回るのには、うっとうしいという思い以外にも、こうした後ろめたさがあるからかもしれません。フラれた側は、そんなにまで嫌われてしまったのかと、さらに打ちのめされてしまうことも多いのですが。
 出した答えを変更するつもりはないけれど、ふった相手に残酷なことをしたと感じているときは、相手が自分の決断を受け入れてくれ、恋愛感情の執着を解いて、隣人のよう接してくれないと、自分を守るために決断の正当性を主張するばかりになりがちです。
 長い冷却期間ののちに、改めて隣人として付き合えるかどうかは、お互いの、相手の胸中に対する共感力にかかっていると言えそうです。
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カテゴリ: 失恋の処方箋

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