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救われる条件

 幸せの条件は、他人と比べない事だと言われています。人は、この上もなく不平等だからです。あるものは恵まれた環境に、親からの優れた遺伝子を相続して生まれて来ますし、またあるものは、劣悪な環境に負の遺伝子を相続して生まれて来ます。
 何不自由ない裕福な人生を送る人もいれば、どん底で爪に火をともすような生活を強いられている人もいます。愛する人や家や仕事、健康をある日突然失ってしまうこともあります。これまで持っていた幸せ、あるのが当然と思っていた幸せを、喪失した時のダメージは、初めから持たなかった人よりもはるかに深いことでしょう。
 それでも、わたしたちは懸命にその境遇を生きようとします。生きるしかないのです。
 そんなときにふと、傍らにいる恵まれた人が目に留まり、これまで堪えていた涙が、溢れ出してしまう、といったこともあるかもしれません。ああ、この人は一生涯、天涯孤独の寂しさを知ることはないんだ、と感じるとき、その圧倒的な落差を想う時、わが身の運命が惨めにならずにはいられません。

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 挫折を知らない人、恵まれた境遇を生きる人は、また、他者の痛みに鈍感なものです。その人の何気ない言動に、傷ついてしまうことも多々あることでしょう。その人との付き合いから癒しや救いを得られない、これが苦痛の根源でしょうか。
 だからといって、「あなたのような幸せな人に、何が解るの!」と喚いてみたところで、共感が得られるわけではありません。むしろ相手との関係性に、深い傷を刻んでしまうことでしょう。
 賢明なあなたは、いつも、どんな心境の時にも、微笑んで、忍耐強く善処してきました。どん底の境遇を生きていても、おくびにも出さず、愚痴もこぼさず、今あるささやかな楽しみに感謝しようと努めても来ました。
 そうした自分の静かな勇気を、誉めてあげてください。誰から褒められることなくとも、密かに誇ってください。それは、あなたの対人スキルのなせる業です。
 それでも、どうしようもなく泣けてくる夜もあることでしょう。そんな時には、人前で愚痴もこぼさず、涙も見せず、頑張って地中に根を延ばすように、苦しい場面を幾つも潜り抜けてきた自分を労わってください。
 たまには、同じ境遇の友人と、お酒など酌み交わしながら、ぽろりぽろりと本音を吐露する時間も楽しんでください。人生の様々な傷の痛みを知り、慈愛の眼差しを注ぎあう、そうした人との繋がりの中で、人は救われるのだと思います。
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カテゴリ: 認知と癒し

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