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カサンドラ症候群

 相手に尽くせば、従順であれば、時にはわがままで、相手を翻弄すれば、その人にとってかけがえのない存在と認められ、たいせつにされる。そうした技術は、いずれも外れてはいません。ですが、その通りに誠意を尽くしても、思い通りにならないのも対人関係の真実です。それに対してどう応えるかは、相手の領域なのですから。
 ザルに水を注いでも水は溜まらないように、未だ人をたいせつにする慈愛の心に至らない人を愛しても、愛は返ってきません。他者を思いやる心を、人は幼少期からの集団生活の中で、少しずつ身に付けていきます。何らかの成長期の躓きからか、大人になった後も「愛されたい。大切にされたい。だけど他者をたいせつにできない。」という子供の心を持ったままの人も多くいます。
 誰しも、あからさまにお返しを当てにしているわけではありませんが、その人との関係で、一方的に自分が動力を使ったり、気配りをしなければならない、あるいは、相手が支配的、依存的でありすぎる場合、多くの人はその人との付き合いに疲れていきます。いつの間にか友人や恋人が離れていき、人間関係が長続きしないのが、愛せない人の特徴です。程度の差はあれ、背景に発達障害が関係している場合もあることでしょう。

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優れた知能を持っているために、表面的には如才なく、人当たりも柔らかいけれど、一歩踏み込んで付き合うと、幼稚な振る舞いが目立ったり、冷淡で、他者の気持ちを全く察しないように見えることもあります。経験から学べず、対人関係を構築し、維持していく能力が育っていません。また、何かあった時に、原因を相手や状況に求め、取るべき責任を果たさないことも特徴です。
このような人は、遠くにいる知人よりも、身近にいて愛情を注いでくれる人を、深く傷つけます。その結果、相手が離れていく経験を繰り返しても、それがなぜなのかわからず、自分もまた傷ついて、対人関係そのものを退けてしまうこともあります。深く依存したい、すがりたい、ゆえに人が信じられず、恐れて人間嫌いになっていくのです。
 こうした人は一見、迷子の少年のような純粋さを漂わせていますから、愛する能力のある人の支えたい願望を引き寄せてしまうことがあります。ですが、そうした人も、いつまで経っても、要求ばかりの万年少年に、もっと気遣て!と、やがて不満を募らせていくことになりがちです。
 発達障害の人をパートナーや恋人に選んだために、対等で共鳴しあう関係性を築けず、苦しんでいる人たちはカサンドラ症候群と呼ばれています。愛する能力のない人に愛を求めて苦しんでいるのです。
 たいせつにされない原因は、自分の努力や魅力が足りないからだなどとは、決して考えないでください。時には、背中で子供に教えるように、責任ある態度がどういうものか、手本を示す機会もあるかもしれません。プライドを傷つけたら、逆ギレされ、この関係性にヒビが入ると怖れないでください。その人とは違うあなたの姿勢を通して、人を便利に利用したり、祖末に扱ったり、酷い裏切りを繰り返さない生き方を、学ぶ可能性もあるのです。
 とはいえ、変わってくれることへの期待は禁物です。できることは、ただ、限界を定めて、それを越える相手の要望にはNOを示すことでしょうか。それは、あなたが相手を想う以前に、まず自分をたいせつにすることでもあります。
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カテゴリ: 共依存

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