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パラノイア-被害妄想への依存

 妄想性障害を持つ人は、例えば、「近隣の人たちが私を陥れようとする」という妄想を、家族が受け入れるよう繰り返し繰り返し説得します。家族がそれを否定し、理路整然と説明しても、この妄想を覆せません。一度は納得したかに見えても、暫くすると、またもくもくと妄想が膨れ上がります。また、逆に、これほど危険が蔓延しているのに、なぜそんなに呑気でいるのか、なぜ察知できないのかと憤ります。 全てにおいて、現実見当識が崩壊しているわけではありません。ある事柄において、恐れが暴走した状態とも言えます。その「信念」は時間をかけて、当事者の意識の中で現実と化しているのです。これを覆すのは容易ではありません。
 もっとも、その信念を誰彼かまわず話すわけではありません。ほとんどの人は取り合ってくれないと知っています。耳を傾けてくれる人にだけ話すのです。したがって、多くの場合、家族、特にパートナーが選ばれます。

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このような妄想性障害を持つ人は、発達障害のような傾向も持っています。他者の発言の背後に、その人の感情や真意を読み取るのが得意ではありません。そのために、対人関係の挫折を重ねてきている可能性があります。失意や傷心から人と距離を置き、コミュニケーションの希薄さから妄想が生まれてきたとも考えられます。自分を受け入れない他者への怖れと同時に、憎しみも窺えます。
 他者に対して、愛情や慈愛の想いを示すことはできません。外部と断絶して、交流がないのですから、無理もない事と言えなくもありませんが。
 では、傍に居る親しい人たちなら、たいせつにできるかと言えば、それもできません。依存心や支配欲求の強さから、さながら、家族は、役に立つために存在している道具のようです。猜疑心の強さから、パートナーの異性関係を疑い、ともすればDV加害者にもなりがちです。
 家族は、医療の手に委ねることを望みますが、本人には病識がないので自発的に受診するのは難しいでしょう。仮に受信したとしても、「他者は自分だけを迫害する存在」が基本的な構えですから、処方された薬を飲まないことも往々にしてありがちです。毒を盛られているかもしれない、なんて考えていたりします。不眠を訴えることも多く、その対策のために医療機関を訪れることはあり得ます。
 人は誰でも、他者の力添えが必要な弱い立場になった時、相手や周囲にとって不必要な存在となっているのではないか、陰で嫌がられているのではないかと、疑念を抱きがちになります。
 そうした明らかな理由のない場合でも、人の気持ちが解らない、その不安から積極的にコミュニケーションが取れず、人を怖れがちになる。そうした社会不安障害の延長線に被害妄想があるのかもしれません。そして、それは、自らの自己不全感を払拭する役に立っているとも考えられます。しばしば、妄想性障害の人は、根拠のない万能感を持っていたりするのです。
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カテゴリ: 妄想性人格障害

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