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自己責任の範囲外

 加齢とともに瞬間判断力は低下していきます。決断や選択を瞬時に問われるような質問に対して、自身の都合や可能不可能を考慮する以前に、何が優先かといった質問者側の論理に飲まれて流される決断をしがちになるのです。後でゆっくり考えて、やはりできそうもないと前言を撤回するという展開になることも多いでしょう。
 若い世代の場合は、NOを言えない性格など、本人の性格上の問題に帰されますが、熟年世代になると、この瞬間判断力の低下が関わってきます。
 オレオレ詐欺などの犯罪は、こうした世代を狙って、その日のうちに、短時間で仕事を終えようとします。ゆっくり吟味する時間を与えないためです。

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自己責任だ、 そんなバカげた話に騙される方が悪い、等と被害者が責められることもあるでしょうが、気の毒な話です。世の中、研ぎ澄まされた判断力を持つ人ばかりではないのです。
 こうした時には、冷静な他者の脳の判断が必要です。そうしたコミュニティのある場所には、犯罪も近づいてこないことでしょう。

騙されていい勉強になった、などと言うのも自虐的すぎます。所詮、相手には立ち向かえないから、翻って自分を責めるしかない状態でしょうか。そうしたことばを被害者に投げかける周囲も、加害者にとっては都合の良い状態かもしれません。

 ここには、いじめにも通じる論理があります。強者、加害者は、自分を正当化するために、「そうされて当然」と相手の劣った部分を叩くのです。加害者を制するのが自分にとって不利と考える傍観者も、被害者に難があるとすれば気楽です。自己責任論は、弱者を守って強者に立ち向かえない周囲が、弱者に押し付ける都合の良い論理と言えるかもしれません。
 負の経験を背負って強く賢くなれば良いのですが、そうでない場合は自己評価が落ちていきます。強くなった場合でも、その深層心理には負の情念が満ちているかもしれません。その鬱積から、他者にも自己責任を強要する傾向が顕著になる人もいることでしょう。
 犯罪ではない強者の横暴は、見過ごされたり支持されたりしやすいですが、相手の責任まで背負ってはいけません。その人の横暴はその人のものです。
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カテゴリ: 認知と社会

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