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怒る男

 毅然とした態度を表明する方がいいシーンは、多々あることでしょう。ですが、大の男が、女性相手に、徹底的にねじ伏せようとして、愛しているからこそ弱い立ち位置になっている相手に、容赦なく挑みかかるのはみっともない事です。いわく、「正しさを証明するため」いいえ、それは、愛の無さを証明しているに他なりません。加えて、自分の器の小ささも証明しています。
 相手が従順に自分に貢献してくれているときには支配欲を満たし、都合が悪くなると相手を責め、自らの不利益を回避しようとしているにすぎないことを、善悪論を持ち出すことによって、周囲の目からも自分の目からもごまかしているにすぎません。なんとしても優位に立とうとして酷い仕打ちをする男に、それでもすぐには愛着の絶ちがたい女は傷つき、苦しみます。修復しがたい状態になり、やっと別れを決意し、離れた後も、いつまでも癒えない記憶を、事あるごとに思い出すことでしょう。

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ですが、自分の中にある相手への未練や執着が冷めていくにつれ、その辛さも癒されていきます。離れてよかったと思えるようになるのです。そう、すでにあの時点で、友人が口にしてくれていた言葉です。ある一定の時を経なければ、その胸中には至れませんが。
 思えば、少年のようにはにかんだ笑顔に惹かれたのでしたか?付き合ってみれば、その少年のような未熟な精神が、あなたを叩きのめしたのですね。

 成熟した精神は寛容です。愛されていることを知っているがゆえに、相手にここぞとばかりに畳みかけるなどは傲慢の極みです。そうまでして、小さな自分を守りたいのでしょう。外では、周囲の評判をたえず気にかけていることでしょう。人の評価は風次第、風に踊る凧のようです。
 仕事上、お世辞を言われたり、立ててもらったり、人に指図できる立場に居ると、人間関係を上下で考える癖が付いてしまう人もいることでしょう。それはただ、その職務上に限られたことで、他の場面ではフラットであることを忘れる人もいます。
 退職後も、部下に対するような横柄な態度を取る老人は嫌われます。職業上の権威ではなく、人としての器で評価されるからです。
 愛してくれる人と闘って勝とうとすれば、結局最後にはその人との関係を損なう事になりかねません。にもかかわらず、謝るくらいなら、壊れてもいいと、怒る男は怒りつづけます。そうした自分の見苦しさを、覆い隠すために、一層自らの正当性を手放せなくなるのです。

 もしも、あなたの愛している人が戦いを挑んできたら、相手の理不尽さや間違いを正そうとしたり、自分の胸の痛みを解ってもらおうと話し合いを持ちかけるよりも、直ちに戦いを放棄して退却する方が賢明かもしれません。相手の正しさに、こちらの正しさで挑んだら、相手がそうまでして守ろうとしているプライドを傷つけてしまう恐れがあるからです。
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