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怒れない人

 内心憤りを感じながら、それを口にできない人は、表現するリスクを致命的と考えています。そんなことをしたら、相手は気分を害して、もうこれまでのように付き合ってくれなくなる、しこりができて気まずくなる、そして、いずれ絶縁状態になってしまう......。このように考えると、辛くても我慢するしかありません。そして、少しでも対立した相手には、きっと相手に嫌われているはずと、自分の方から距離を置いてしまいます。近寄りがたくなってしまうのです。
 こんな事態にならないために、日ごろから、負の感情を抑える癖が身についてしまっている人も多いことでしょう。にこやかに感じよく人と接するのが、大人の分別であり、人に好かれるコツだと信じていたりします。
 そして、そうではない人に遭遇するたび、絶句するのです。なぜ、あの人はあんなにも怒りっぽいのだろう。相手に嫌われるばかりで、人間関係を築けない損な生き方でしかないのにと。
 確かに、いたずらに怒りっぽい人は敬遠されがちかもしれませんが、つねに愛想の良い対応にもリスクはあります。怒りのエネルギーが自分に向かうのです。
 抑え込んだ感情は決して癒されることなく、自分の中に蓄積されていきます。積もり積もって限界に達すると、爆発することになりかねません。それも、対決すべき相手ではなく、味方でいてくれている家族やパートナーに対して、八つ当たりという形で溢れてしまうことも珍しくありません。こうした不適切な爆発は、後悔と自尊心の低下をもたらすばかりです。

 怒りは溜め込まず、まだ小さな不満のうちに出しましょう、などとアドバイスされるかもしれません。ですが、上記のように表出することへの不安が強かったり、そもそも経験が乏しければ、なかなかできることではありません。

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まず、怒ると、事態はいっそう悪くなる、そうした思い込みから抜け出せなくなってしまっているのなら、それには該当しないケースもある、と考え直してみることから始めたいものです。
 そもそも、気心の知れた友人や家族なら、あなたが怒りを溜めるような言動を繰り返したりはしません。表面的な付き合いの相手との間に生じがちな問題ではないでしょうか。
 気心の知れない相手だからこそ、怒ったら相手を傷つけるのでは?という恐れから平気を装っていると、相手は全く気付かない可能性もあります。ふつう、そんな態度をとると、相手は気分を害すると解るだろう!!と思うかもしれませんが、解らない人は少なくないのです。
 その件に関して、自分はどう感じたのか、今後、どのようにしてほしいのか、解らない相手に対しては、言葉にしないとわかりません。あなたの存在をたいせつに思っているならば、真摯に受け止めるでしょう。だからといって、相手にも都合があるでしょうから、必ずしも言い分を受け入れてもらえるとは限りませんが、長く付き合える相手なら、ことあるごとに互いの理解を深めていかれることも多いでしょう。逆ギレされてそれっきり絶交になってしまうなら、その人は、自分に都合のいい人がほしかっただけかもしれません。
 人間関係が壊れるのは辛いけれど、これで壊れるなら、壊れてもいい関係だと考えると、気楽になれるでしょう。怒ることに過剰に罪悪感を感じるのはやめましょう。対立や喪失を恐れると、そこにつけ込み、脅迫的になる人がいないとも限りません。
 どれほど尽くしても尊重もされずないがしろにされるような状況なら、無い方がましです。相手に対する執着や依存を緩めて、ふさわしい人はきっと他にもいる、生きる場所は他にもあると気楽に考えることが、感情をオープンにできる基礎作りと言えるかもしれません。そして、そうした毅然とした雰囲気が、相手の言動にも影響を与えるかもしれません。
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