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偏執病

 あの人はこう思っているに違いないと邪推するところから、妄想が生まれます。相手に対する不信感や損害を被ることへの不安感が強いと、相手の弁明も素直に受け取れません。騙されてなるものかと、身構えてしまいます。誰しもそうした経験の、一度ぐらいはあるかもしれません。

  妄想性人格障害は、常にこのハザードランプが点灯しています。警戒心に満ちた異様にぎらつく眼で、常に周囲を警戒しているので、少しも心は休まりません。ほんの少し人と接しただけで、人疲れして一人になりたがるのも無理からぬことでしょう。とはいえ、一人では生計が立てられませんので、扶養してくれる家族やパートナーを必要としています。それでいて、家族をたいせつにはできません。ともすればハラスメント加害者になりがちです。
 疎外され、迫害される自分という強迫観念が強いために、助けてほしい、解ってほしいという要求は強大で、家族は疲弊しています。家庭は、安らげる場所として、機能しません。

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 情報を吟味する脳の機能不全のために、パラノイアの人は「異常な感受性」と「異常な猜疑心」を持っています。物事を歪曲して受け止め、他人のちょっとした親切も、何か裏があると疑わずにはいられません。そのねじ曲がった判断を持って、相手の善意を非難するので、傍に人は寄り付きません。何よりも、その憎悪や敵意を秘めて、煮えるような不快な目つきが恐ろしいのです。

 人を恐れ、人からも恐れられる妄想性人格障害の人は、他者と一緒に行動したり、働くことが難しいものです。本人は、そのことで、さらに疎外感を深めている場合もあります。とはいえ、どう接していいか解らず、外ではことさら怯えて卑屈になったり、心にもない親切を示したりします。
 一方で、心を許した家族には、本来の冷酷を示します。家族は、守るべき対象として存在しません。依存対象に他ならないのです。その依存心は非常に強く、思い通りにならないと、「冷たい」といつまでも家族を恨み続けます。
 自分自身や家族を養うために、働ける状態ではないといえそうです。正体の解らない強大な敵に怯えて、保護とケアを常に求めている、そうした状態かもしれません。
 実際、神経の高ぶりから不眠症を抱えていることも多いものです。病識の乏しさと人間不信から、進んで医療機関を訪ねることは少ないでしょうから、家族は、本人の苦しい症状にホーカスして、辛抱強い説得が望まれます。適切な抗精神病薬での治療に、希望を繋ぎたいものです。
 そして、何よりも、家族といえども、その人のために生まれてきたわけでも、生きているわけではありません。恨みの連鎖を作らないためにも、最優先すべきは、自分の幸せです
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カテゴリ: 妄想性

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