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クラッシャー上司の人格

 些細なことで、部下を何時間も、あるいは何日も、ねちねちと執拗に責め、もはやそれ自体がストレス解消の娯楽となっている人、こうした上司のいる場所では、部下は次々と退職していき、職場構成員同士の連帯感も生まれません。上司が全権を握り、意見する人のいない閉塞的な環境で、こうしたパワーハラスメントは起きやすくなります。押さえのない環境では、人格の未熟さも表面化しやすくなるのです。

 サディスティックな上司は、「虐待」それ自体の快楽のために、弱い立場の部下を虐待します。部下の掃除の仕方や挨拶の仕方など、取るに足りないことを理由に暴言は始まり、何時間も、何日も、何カ月も続きます。傷心し、自尊心を蝕まれる部下の衰弱を見ることへの、ゾクゾクするような快感、それが得難い報酬なのです。使う武器が言葉であるために、犯罪者となりえないことを承知していますから、その残酷趣味は止むことを知りません。もはや、依存症のようになっています。
 快楽殺人者が、被害者の血しぶきに勝利感や有能感を得るように、精神の殺戮者は対象の衰弱から、エネルギーを受け取ります。相手を打ち負かし、恥をかかせようとする欲望に貪欲なまでに忠実でありながら、そうした自分の姿に恥を知ることはありません。

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評価を落とし、恨みを買うことを恐れない、天下無敵のような上司の実像は、意外なことに脆弱かもしれません。「いい年をして、そんなことも解らんのか。」と、我が子よりも年少の部下を罵倒する彼の胸中は、いい年をしてこの程度の自分自身への自己評価の低さを示しています。新卒間もない、仕事もまだ充分覚えていない部下に、指導もせず無能呼ばわりすることでしか自信をもてない姿が伺えます。

 部下の至らなさに目をとめ、叱責するのは、指導の一環であって、上司の務めだと考える人もいることでしょう。暴言上司も、周囲にそう説明し、自らも信じているかもしれません。
 ですが、有能な上司なら、部下の感情に配慮できるはずです。年若い部下が気持ちよく働けるよう、気配りもできることでしょう。
 愛情の有無がキーワードになります。愛のない上司が他人をけなすのは、それが支配者然として心地いいからであり、自らの有能感を満たす行為であるからに他なりません。決して部下の職場スキルを高め、業績を向上させるためではありません。それが証拠に、人材は流動的で、部下は熟練するまで留まりません。
 些細なことを口実に、相手の人格を非難し攻撃するのは、その本人が内面に強いコンプレックスを抱えているからなのです。同世代を攻撃対象に選ばず、抵抗できない年若い部下を奴隷の如く扱い、ネチネチと責め続けることで、自分に対するささやかな有能感を感じているといえます。
 年若い部下は、自分の親よりも年長の上司に、劣等感を処理できない未熟さがあることなど、思い至れません。上司からの攻撃をまともに受け、自らも劣等意識に陥り、自己評価を損ないかねません。「うちは慈善事業をやってんじゃないんだ」などと言われ、上司は自分を辞職に追いやろうとしているのだと考え、辞表を出すと意外そうな顔をされたという事例もあります。辞めさせたいわけではなかったようです。
 こうした上司は、一人で戦うには強敵です。同僚との横の連帯感を保ち、精神に負荷がかかりすぎないよう、精神衛生に注意する必要があります。
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