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友人の幸福は苦い味

 「人の不幸は蜜の味」ということわざがあります。逆に、身近な友人の幸福は、耐え難いほどに苦いものです。自分が満たされていない、これまでの人生で今が最悪かもしれないという状況を生きているときには。
 結婚や子供の誕生や、あれやこれやのホームパーティ。招いてくれる人に悪気はありません。もちろん、自分の心の中にも、その人が幸せでよかったと、祝福する思いも充分にあります。
 それでも、恵まれた経済状態や、家族の団欒、それが自分には無い、そしてこれからも手に入らないものであればあるほど、鮮烈なショックを受けずにはいられません。人それぞれの人生とはいえ、これほどまでに大きく、その与えられた境遇が隔たっているものかと、理不尽にさえ思えてしまいます。相手に嫉妬するというよりは、むしろ、自分の人生に絶望を覚えてしまうのです。その人との対比で、まるで自分自身が人生の敗北者になったような心境です。

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 わたし達は他人に不幸が起こると同情を感じますが、その人が自分の不幸感を刺激する身近な人物である場合、相手が雲の上の楽園から転落してきたことに、安堵感や喜びを味わいます。あの幸福しかない人生を生きていた人にも、悲しい出来事は起きるのだと。
 「他人の不幸は蜜の味」は、不道徳だといわれますが、誰の心にも自然に湧き起こる感情です。羨望の対象である人に不幸が起こると、線条体と呼ばれる情動に関わる部位が活動することが解っています。また、心の痛みにかかわる前部帯状回の活動が高い人ほど、他人の不幸に対して線条体が強く反応するといわれています。
 友人の幸福が辛いとき、また、過去の不幸な出来事が蘇り、自分を傷つけた相手を激しく憎むとき、ああ、今、わたしは不幸なのだと解ります。そうした自分を醜いと責めず、少しでも安らぎを感じられる環境に身を置きましょう。楽しさを感じられる人と、ともに過ごしましょう。
 失意や孤独のどん底にあるときに、何不自由ない恵まれた人生しか知らない人と歩調を合わせるのは苦しいものです。目の当たりにしてしまうから、苦しいのです。相手の幸福がまぶしすぎて、目に染みるときは、少し距離を開けた方がいいのでしょう。遠くから風のうわさに、友人の幸福を聞き及んだとしても、それほど打ちのめされることはありません。
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テーマ: 人生を豊かに生きる | ジャンル: 心と身体
カテゴリ: 抑うつ

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