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脳震盪-スポーツに伴う危険

11月8日、フィギュアスケートのGPシリーズ第3戦、中国大会。日本期待の羽生結弦選手と、中国の選手が、フリー演技前の練習中に正面衝突し、羽生選手はリンクに倒れたまま、暫く起き上がれません。時間にすれば2分ほどだったようですが、ライブでテレビ中継されたその様子に、観ている人々は凍り付きました。二選手がリンクに倒れたまま動けずにいるのに、メディカルスタッフが直ちに駆けつけず、放置されたままで、他の選手がその周囲でまだ練習を続けていることに疑問を感じます。
 さらに人々を驚かせたのは、そのまま病院へ直行かと思われた羽生選手が、顔面蒼白、ふらつきながらも、再び練習に復帰したことです。その目には、涙が滲んでいました。この試合を棄権すれば、ファイナルには進めません。アクシデントに負けたくない、そうした思いに駆り立てられたことでしょう。
 その思いの強さは、察して余りありますが、充分な身体能力に恵まれていてさえ過酷な4分半に、この状態で挑むことには賛成できません。まさに瀕死の白鳥のようなその姿に、多くのファンは感動を口にしましたが、観客の感動など一瞬にすぎません。それに引き換え、選手は、無理をしたために万一障害を生じたなら、後々まで影響を受けることになります。美談では済まされません。本人がぜひにと望んだとしても、冷静な判断で静止するのが周囲の大人の分別ではないでしょうか。

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 羽生選手自身を、無謀だと責める人はいないことでしょう。確かに、あのような状態でも、ジャンプをちゃんと回っていることには、感動を超えて驚嘆します。他の人なら、ふわっと一回転する「パンク」になっていたかもしれません。ただ、さすがにきれいに降りることはできず、転倒。最悪のケースを想像した人もいるのではないでしょうか。もしも、再度、脳震盪を起こすような事態になったらと...。
 アクシデントを乗り越え演技をしきった二選手の姿に、多くの人が感涙しました。その感動に、ふと、しょせん他人事の軽さを感じてしまいます。この一時の興奮が冷めた後、選手がその後の長い人生で、払うかもしれない代償について、なぜ心配する言葉が出ないのかと。
 多くの人は脳震盪であることに気付かなかったり、軽く考えがちかもしれませんが、そのまま競技を続け、何度も脳振とうを繰り返すと、致命的な脳損傷を招くこともあるのです。
 羽生選手は9日に帰国、現在は精密検査を受けているようです。悪夢の余韻が長く留まらないことを、今はただ祈るばかりです。
 6分間練習での選手同士の衝突事故は、これまでにも何度かありました。細かなルール改正以前に、脳震盪が疑われる場合のガイドラインとメディカルサポートの体制を整えていて欲しいものです。
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テーマ: 医療・病気・治療 | ジャンル: 心と身体
カテゴリ: 脳と精神

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