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発達障害と自尊心

 自尊心が低い人は、他者から拒絶されるような経験を重ねてきている場合が多いものです。逆に自尊心が良好に保たれている人は、周囲と友好的な関わりを築いてきたことが多いでしょう。
 自尊心が低ければ、身近な対象に暴力をふるう、弱者へのいじめの加害者になる、あるいは、他者と関わることを避けたがる、実質を伴わないプライドの高さ、といった傾向が生じます。

 「弱い立場の人をあんなに苛めるなんて、自分の姿が恥ずかしくないのだろうか?」職場などでハラスメント加害者の醜い姿を目にして、疑問に思った人もいることでしょう。つまらない雑用を次々に指示命令したり、他者の仕事ぶりに文句を言ったり、その人格まで難ありと評価する上司は、ともすれば自尊心が高すぎるように見えなくもありません。ですが、実際にはストレス過多の状態で、自らの有能性を無意識のうちに確かめているといえます。
 こうした感情の荒れた人からの攻撃にさらされると、その人もまた自尊心が下がりかねません。周囲からの冷静な判断や、フォローがないと、自分は苛めに会いやすい性格だと、自分を恥じたり責めやすいのです。クラスでのいじめの場合、いじめっ子の性質は変えられないまでも、周囲の他の人たちとの関わりを良好にできるかどうかがポイントになります。

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自尊心の低い状態が長引くと、精神疾患のリスクが高まります。不安感が強まったり、抑うつ的になることが多いです。
 発達障害の人は、人との関わり方が不器用ですから、自尊心も蝕まれやすくなります。養育者や周囲の大人は、その子供の個性を否定し、発達障害がない子供のような振る舞いをさせようとします。受け入れられない、叱られる、という経験を積みやすいのです。その結果、自分は人から愛されない、という自己認識が育っていきます。
 同時に、他の子どもからもいじめられやすいものです。成長期のいじめは、大人が考えるよりもはるかに深刻な後遺症、心的外傷後ストレス障害を引き起こす可能性が少なくありません。人類や社会に対する世界観が、この経験を基底にして築かれてしまいかねないのです。
 他者を傷つけたり、辱めることで自尊心を太らせようとする加害者の自尊心もまた、卑しいものです。加害者もまた、癒されるべき存在といえるかもしれません。
 自尊心を高めるために、「自分は愛されている」という自己暗示が有効だといわれることもあります。ですが、そうした幻想は現実に直面した時、容易に崩れます。
 自尊心のために必要なのは、命の尊厳を理解することでしょうか。この世に生まれ、生きるものは、姿かたちが違っていても、皆唯一無二の命として平等なのです。人が他の動物の上に君臨するものでもなく、男が女の上に立つものでもなく、白人が他の人種より優れているわけではありません。生物の多様性は、優劣ではありません。
 養育者は、子供のためだと信じて、虐待してしまう場合があります。その子の個性を受け入れず、尊重せず、否定し続けて、自分が理想とする鋳型に入れようとするのです。
 やがて、子供はその鋳型を捨てて、巣立っていくことでしょう。ですが、その後も、養育者から刷り込み教育された価値観が、刷り込み教育として留まり、自尊心を危うくさせてしまうこともあります。幼少期の経験は、それほどに大きいのです。
 その養育者自身、自尊心が低いために、子供に依存しすぎて過干渉にっていたとも考えられます。心理的虐待は、無自覚であれば連鎖していきかねません。
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カテゴリ: 自尊心

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