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仮想的有能感

 自己肯定感や自尊感情の低い人は、成長期に養育者からありのままの自分を受け入れてもらえなかったり、学校での友人関係が構築できなかったり、といった成育歴を持っていることが多いものです。
 健全な自尊感情がはぐくまれていないと、人間関係で様々な問題を生じたり、そうした負の経験の積み重ねが、人格の歪みを形成してしまいかねません。
 周囲から否定される経験は、誰にとっても心地いいものではありません。誰か一人でも味方になってくれる人がいるといいのですが、一人で困難に曝される経験が続くと、他者には何も期待しなくなり、これ以上傷つくことを恐れ、人間関係が希薄になりがちです。
 また、そうしたバリアを越えて近づいてくる人に安心を見出した途端、依存傾向が強くなります。相手を、自分の思いどおりに変えようとする傾向もあります。相手のありのままを否定し、ダメ出しばかりするのです。

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親しくない第三者に対しても、あの人はダメだ、といった蔑む傾向が強いものです。誰しも、相手に面と向かって言えない批判を、陰で言ってしまうことはあるものですが、批判屋はよく知らない他人や芸能人、映画や時事問題まで、口を開けば批判や非難ばかり。知りもしないで、なぜそんなに非難できるのかと、そうすることで、優位に立った気分になれるのだろうかと、聞かされるサイドは訝ります。
 自信のない自分を払拭しようと、地に足のつかない自信で武装すると、それは仮想的有能感となります。他人の仕事ぶりを見て、手際が悪いと言ったり、こんなことも解らないのかと馬鹿にしたり、傲慢さが目立ちます。他人を批判するばかりで、自分には甘いのが特徴です。
 そうしたことから、協力者に対しても、その仕事ぶりに不満や怒りを生じやすく、満足度が低いものになります。相手への共感性が低いですから、感謝の念も生まれません。こうした他者軽視の傾向から、周囲の人が離れてしまって、認めてくれる人もいなくなり、隠していた自信のなさが露わになることもあります。
 言うまでもありませんが、自らの有能性を誇示するために、他人を見下しても、自分は上がりません。嫌われてしまうばかりです。
 仮想的万能感は、人生経験の乏しい人が持ちやすい傾向があります。実年齢が高くとも、これといった苦難を経験することなく、恵まれた人生を生きている人に多く見られます。彼らは、自分が軽んじている周囲の人一人ひとりに、艱難辛苦の人生ドラマがあることなど知ろうともしません。ただ、利用価値だけで量り、自分の用のために使おうとします。
 こうした人と関わることで、自分の自尊心を蝕まれないように気を付けなければいけません。不快さを感じる場合には、どうすればうまく付き合えるかと悩まずに、少し距離を開けることもたいせつでしょう。
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カテゴリ: 自尊心

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