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ナルシスの自己愛障害

 嗜癖の中核には抑うつがあります。酩酊状態によって、自らへの無力感、絶望感から目を逸らそうとする防衛なのです。ギャンブル、ドラッグ、過食、衝動買い、などは経済や、健康への悪影響から目に付きやすいものですが、仕事依存などは社会に受け入れられやすく、見過ごされがちです。
 ありのままの自分では何もとりえがない、そうしたネガティブな自己評価を癒す手段として、嗜癖は機能しています。恋愛嗜癖でも、それ自体がもたらす陶酔と高揚のほかに、相手から高く評価されることによって、自らの評価を引き上げる効果があります。
 高い評価を得たいから、自らを駆り立てて懸命に働く、フェミニストを演じて優しいオトコを演じたり、尽くすオンナに徹したりする。
 裏を返せば、打たれ弱さがそこにあります。この打たれ弱さが、また、抑うつをもたらしてしまうのです。そこで、また、立派な仮面を付けて、自らを鞭打つのです。

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 ナルシスは、水に映る自らの姿にうっとりと見とれますが、それは、本来の姿ではなく、仮面を見ているに過ぎません。にもかかわらず、仮面の自己に酔いしれます。お世辞を真に受け、高い評価に慢心し、他者を下に見て、傲慢、横柄な態度になります。更なる評価を期待して、頼まれごとには安請け合いし、テンション高くサービスする様は、さながら躁病のようです。その傍らには、抑うつが、ぱっくり口を開いています。
 ハンサムでセクシーなプレイボーイやエリートに、足りないものがあるとすれば、それは失敗体験かもしれません。落ちても、そこにも世界があること、また這い上がる力を自分が持っていることを知っていれば、些細な人の評価を恐れはしません。
 ナルシスは、ほんの小さな汚点でも自分につけば、ほんの些細なネガティブなウワサでも立てば、それで自分が潰されてしまうかのように恐れます。そこで、さらに分厚い仮面を付けることとなるのです。
 つい自慢話を長々としてしまったり、知識をひけらかしたりしてしまうという行為をして、相手から、逆に傲慢で大人気ない人、こちらが退屈しているのも解らない『空気の読めない人』という見方をされてしまいがちです。
 また、人には、あれこれアドバイスや意見をしたがりますが、同様のことを相手かされると、屈辱を感じます。それが好意から出たことだったとしても、自分を否定されたように感じ、さらには自己の内面に対する攻撃のようにすら、受け止めてしまうのです。
  ですから、素直に自分の至らなさを認めたり、相手に与えた心理的痛みに対して、共感ができません。「ごめんなさい」は言えないのです。同時に相手の良いところを認め、誉めることもできません。
 背伸びをして自分自身を大きく見せ、評価をもらうことに一生懸命なのですから、自分を低くしたり、相手を高く掲げるわけにはいかないのです。
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テーマ: 不安定な心 | ジャンル: 心と身体

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