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アイドル幻想

テレビで見るアイドルは、素晴らしい存在であるかのように、ある人々の心を捉えます。その実像に接することがない故に、イメージが膨らみ、それが自分の中で真実になってしまうのです。

 人間とは、それを構成する肉体の欲求に基づいて生きている、という事実すら否定してしまうことすら起こりえます。「アイドルはトイレにも行かない」などと、信じている人はいないでしょうが、それに近い盲信を、接することのない対象に抱いてしまうことは、少なくはありません。

 人間とは、人間の肉体とはこういう欲求を抱くものであるという認識があれば、表面のイメージから生じる盲信に捕らわれること少なくなることでしょう。アイドル幻想は、相手の実像無視の上に築かれるのです。幻想と異なるような報道がされた場合、報道の方を否定してしまう人も、いるかもしれません。幻想は、生物としての欲求も、社会的欲望も備わった一個人を、神格化していきます。特に、その対象が故人となった場合にはいっそう強く。

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相手を理想化すればするほど、生ける現実のその人物像から、乖離していきます。時には、そのイメージを守るために、現実を語る人の声に耳をふさぎ、どんどん柔軟性も損なわれていきます。
 空想の中で、辛かった過去を語れば、虚構の人は辛かったね、もう大丈夫だよと慰めてくれることでしょう。その人は、実存するあの人と同じ人物ではありません。あの人はあなたの過去になど、何の関心もないことでしょう。
 受け止められたい、支えられたい。そうした依存心が、アイドル物語を創造したのです。時に、現実を否定してその物語に依存することもあることでしょう。
 実際の相手によって、夢を破られてしまうこともあります。そうした場合は幸です。人は誰しも、自分の欲求に従って生きているものだという、認識を持つ機会を与えられたのですから。

 他者の優れた資質を素直に認めたとしても、全てを美化しないことがたいせつです。何かを成し遂げた人も、世の注目を浴びている人も、同じ肉体を持つ人間である以上、それほど大差はありません。
 美化した相手に逢うことは無いでしょうが、もし出会ったとしたら、相手は居心地の悪い思いをするかもしれません。そんなにまつりあげないでほしい、等身大に見てほしいと。
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テーマ: 人生を豊かに生きる | ジャンル: 心と身体
カテゴリ: 発達障害の周辺

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