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2016.06.28 (Tue)

幼児的万能感

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 幼児的万能感は、幼いこどもの頃、持っていた幻想です。泣いていたら、大人が駆け寄ってきて、助けてくれる、解決してくれる、だから大丈夫。
 願いも大人が聞きとどけてくれる、まるで、自分が大人を支配し、自由に動かせる力を持っているかのようです。
 そういった幻想は、誰も助けてくれない、自分で何とかするしかない経験を重ねることによって、消滅します。ところが、成人後も、こうした万能感を持ち続けている人も、少なからずいます。相手をコントロールすることで、自分にとって役立つ人に変え、望みを叶えることを学習し、そうした生き方が強化されてきたのかもしれません。

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このような生き方は、必要な人、得難い相手には媚びへつらい、すでに掌中に置いた、つまり協力的な相手には、見下しながら支配する、といった対人関係を作ってしまいます。
 幼児的万能感は、自分には何でもできるという根拠のない自信とは違っています。むしろ、自分にできないことを、できる人を動かしてやらせようとする強烈な依存心が中心にあります。自分の中に揺るがぬ軸を持ち、自分を信頼するのではなく、自分の外に神を求めるのです。
 常に神を求めながら、その一方で、神になり替わったかのように人を裁いてしまいます。自分の見解が正しく、相手は劣った存在に見え、相手をコントロールして自分の支配下に置こうとします。自分の道具として、便利に動かすために。
 相手の価値を引き下げ、自分の世界観に相手を染めようとする、こうした支配欲は、自己否定感の強い人、自尊心の乏しい人が自分を輝かせるための戦略といえます。
 完璧な存在を追い求め、非力な自分を保護してほしいと願い、あるいは、そうした存在を知っていることで、優越感を感じようとするのは、ありのままの自分を、誰よりも自分が受け入れていないからに他なりません。
 誰しも、身近な対象には依頼心が強くなりがちですが、幼児的万能感は、親しい相手との間にトラブルを起こしがちです。自分が困っていれば、何とかしてくれるはずだ、小さい頃そうだったように、という発想から弱音を吐いて体調不良を訴えたり、空涙で援助を求めたり。
 最初は、真剣に心配した相手も、どうも詐病っぽいと感じたり、泣き落としはいつもの手だと辟易としたり、思い通りの結果は返ってこなくなります。
 万能感の強い人は、愛を求める人です。愛される自分でいるために、常識といった超自我で武装し、本当の自分を見せません。同時に、その常識という武器で、人を攻撃することを厭いません。
 あの人は、ああだから間違っていると裁く前に、その人にはその人の事情があり、たとえ自分の目には劣っているように見えたとしても、そんなふうにしか生きられないのだと理解することが、成熟した考えだといえるでしょうか。
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テーマ : メンタルヘルス・心理学 - ジャンル : 心と身体

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