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自我の危機

 うまくノーを言えない人は、不本意なことを不用意に引き受けてしまい、疲れて不満を溜めこんでしまいます。そうした生き方が癖になってしまった背景には、自分を受け入れてもらえない事への恐れが、潜んでいるのかもしれません。遠い昔の、辛い経験がその恐れの源である可能性があります。 人から虐待を受けた動物は、人を恐れ、容易に近づこうとはしません。人間もまた、対人関係に喜びの記憶がないと、人と関わることを躊躇するようになります。疎外感を感じ、他者を求めて渇望しているにもかかわらず。
 拒絶を恐れる心理を抱いていると、他者から批判される、訳もなく嫌われる、否定される、迷惑がられるといった、誰の上にも起きる出来事に、ひどく傷つきます。過去のトラウマが、記憶に住みついて、やっぱり自分は受け入れられないんだという結論に直結するのかもしれません。
 誰も助けてはくれなかった。自分だけがいじめのターゲットになっていた。このようなトラウマは、後に出会う人々への不信を生むに充分です。

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養育者から、ありのままの自分でいることを許されず、否定されつづけてきたのでは、自分という存在に価値を見出せなくなって当然といえます。若くして、あるいは幼くして、生きていることに絶望してしまうことすらありえます。
 幼少期は、物事の判断力が深くありません。親の言動に対して、客観的に評価したり、その背景にあるものを見抜く能力が育っていないのです。
 ですから、親から否定され続ければ、自分は劣った存在だと信じるに至ります。親もまた、未熟性を抱えて人間関係に不具合を生じ、幼い我が子を見ては、この子よりは優れていると安堵しているなどとは、想像だにしません。
 受け入れられない自分、嫌われる自分という自己イメージを作ってしまったのでは、外界は信頼できる世界ではありません。精神の安定のためには、他者の評価がどうあろうと揺るがない自己像が必要なのです。
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