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依存症と前頭前野皮質

 人は誰しも、心地よさを求めています。とはいえ、誰しもが『それ』を唯一の救いの対象として、しがみ付くわけではありません。『それ』がもたらす快楽には、何が付随しているかを考えるからです。
この認識力は、前頭前野皮質が担っています。ここに機能低下があると、抑止力が鈍ります。その結果、衝動のコントロールが鈍り、将来を踏まえて良い行動を選ぶのではなく、目下の状況に基づいて判断を下してしまいます。

 ストレスが生態に与える影響について、多くの動物実験が行なわれていますが、ネズミを使った実験でも、不慣れな新しい環境、新しいネズミとの同居、手順の頻繁な変化等が快楽物質への依存に向かわせることが確認されています。

 人間の場合もストレスが脳の思考回路に影響し、行動の後に起きる結果を予測する思考に混乱をひき起します。


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非日常的な事態に遭遇したとき、注意は全てその事に集中し、それ以外のものは意識に登りません。それ以外の事柄に対しては、健忘、ケアレスミスが目立つようになります。たとえば、部屋の中が散らかっていても、頭の中が「その事」を考え続けるのに忙しいために、片付ける作業に集中できません。
 頭の中が忙しい(大脳辺縁系が化活動に陥っている)ほど、行動は抑制されます。じっとうずくまり、考えることに集中するようになるのです。
 さらに、深刻な状況下では、思考回路は混乱をきたし、取り乱して、問題の事態に対しても、熟慮した判断が出来なくなってしまいます。前頭前野皮質が麻痺してしまっているのです。
  不安や苦痛を生み出すのは、感情脳、扁桃体です。それを癒す装置として、人は通常よりも強く快楽を求め、それに依存します。
   困難に遭遇したとき、人は無力感を感じます。自分は、「それ」を対処できない。すると、必然的それに押しつぶされてしまうネガティブな未来図を描きます。
「現実はそんなに甘くない。」「そんなこと、うまくいきっこない。」
自身への信頼感は損なわれ、自尊心は傷つきます。何か、心地良いものに身を委ねないと、生きている意味がありません。
 恋愛依存では、自分自身では解決できない「その問題」を、相手が代わって解決してくれることを期待しています。自分自身が何者にもなれなくても、相手が成功してくれれば、自分も成功者になった気分を味わえるというものです。

 依存対象への誘惑を緩和させるとは、前頭前野皮質の認識能力を向上させて、扁桃体や他の大脳辺縁系を制御する事といえます。
 依存への欲求を減らすことは、同時に、恐怖症を癒すことでもあります。恐怖症も依存症も前頭前野皮質と扁桃体との葛藤なのです。扁桃体が機能亢進することによって生じる不確実な事柄への恐怖、不安を、前頭前野の的確な判断力ではなく、辺縁系に報酬を与えることによって癒しているのですから。

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カテゴリ: 恋愛依存

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